注目DVD紹介:「ドールハウス」 主演のエリザ・ドゥシュクさんの七変化が見どころ

米ドラマ「ドールハウス」の一場面(C)2010 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
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米ドラマ「ドールハウス」の一場面(C)2010 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

 米ドラマ「トゥルー・コーリング」(03年)のヒロイン役で日本でも人気を集めたエリザ・ドゥシュクさん主演の米テレビシリーズ「ドールハウス」のDVDが日本で発売された。

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 「ドールハウス」と呼ばれる地下組織では、記憶を抜き取られた人間が、クライアントの求めに応じて別の記憶を埋め込まれ、好みの“ドール”として派遣されていた。人気ドールとして登録されているエコー(ドゥシュクさん)は、過去に組織との間で何らかの取引をし、5年契約でこの仕事を引き受けていた。一方、FBI捜査官のバラード(ターモー・ペニケットさん)は、違法なドールハウスを摘発しようと執念を燃やしていた……。

 見どころは、エコーを演じるドゥシュクさんの七変化。記憶のすり替えによって、ネゴシエーターになってみたり、歌手、窃盗のプロ、最愛の妻、さらにはタフな賞金稼ぎまで演じた。任務に就いていない“ドール”の状態の彼女は純真無垢(むく)な少女のよう。だが、ひとたび記憶をインストールされ、“アクティブ”な状態となると、そのキャラクターになり切って鮮やかな活躍を見せる。

 時間軸の飛躍が多く、分かりづらいという難点はある。だが、それもまたこのシリーズの特徴であり、回を追うごとに過去に見た光景と今見ている光景のつじつまが合うという仕掛けだ。シーズン1の最終話となる第13話には、「エコーたちドールハウスの人間に何が起こったんだ」と混乱するほど意表を突く展開が待ち受けている。それまで少しずつ開きかけていた真相に至る扉が、ここで再び固く閉ざされ、シーズン2へとつながっていく……。

 最先端技術によって、人間の脳から記憶を消し去り、別の記憶を埋め込む……。現在はまだSFフィクションの域を出ないが、10年後、20年後には、こうしたビジネスが出てこないとも限らない。シーズン1の最終話で、ある人物が言っていた、「脳を見くびると人類は崩壊する」という言葉が印象に残る。人類のタブーに挑んだドラマだ。

 「ドールハウス シーズン1 DVDコレクターズBOX」(発売中、全13話4枚組み、1万920円)、「同 シーズン2 DVDコレクターズBOX」(11月5日発売、全13話4枚組み、1万920円、レンタル開始:「vol.1~4」10月2日、「vol.5~7」11月5日)。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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