開国派の大老・井伊直弼を、尊皇攘夷派の水戸の浪士たちが暗殺した「桜田門外ノ変」を題材にした時代劇映画「桜田門外ノ変」(佐藤純弥監督)が16日に公開される。吉村昭さんの小説を映画化。メガホンをとったのは、「新幹線大爆破」(75年)、「男たちの大和/YAMATO」(05年)などで知られる佐藤監督だ。事件の見届け役となる主人公の関鉄之介を、大沢たかおさんが演じている。
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1860年、水戸を脱藩した浪士、関鉄之介ら18人は、徳川幕府の大老・井伊直弼(伊武雅刀さん)を討つために江戸へ向かう。関は、計画立案者の一人で水戸藩尊皇攘夷派の指導者・金子孫二郎(柄本明さん)から、実行部隊の指揮を執るよう言い渡され、ついに当日、襲撃を決行。世にいう「桜田門外ノ変」が起こった……という物語。
映画の最初の方で、桜田門外ノ変は決行され、残りの時間は、計画実行までにどのような出来事が世の中で起こり、また、それによって水戸藩や薩摩藩、あるいはその周辺の人間たちがどのように動いたのかの“解説”に費やされる。また同時に、事件後の、「桜田烈士」と呼ばれた関ら18人の浪士たちの末路が描かれていく。
映画は日本を変えるために散っていった名もなき者たちへの鎮魂歌だ。最後に現在の桜田門と国会議事堂を映し出す手法は、良しあしは別として、日本の将来を思い計画を実行に移した烈士たちの魂に恥じない政治を、今の政治家たちが行えているのかと問いかけているようにも見える。また、同様の映像は、映画の冒頭にも映る。事件を深く知ってから見ると、桜田門に対する感じ方が違ってくるはずだ。他に生瀬勝久さん、渡辺裕之さん、西村雅彦さん、北大路欣也さんらが出演。関の妻役は長谷川京子さん、息子役は加藤清史郎君が演じている。16日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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