上地雄輔:「役者冥利に尽きる」 映画「のぼうの城」で石田三成役に 秀吉に市村正親 山田孝之らも

「のぼうの城」の京都での会見に出席した(前列左から)成宮寛貴さん、榮倉奈々、佐藤浩市さん、山口智充さん、(後列左から)山田孝之さん、上地雄輔さん、平岳大さん
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「のぼうの城」の京都での会見に出席した(前列左から)成宮寛貴さん、榮倉奈々、佐藤浩市さん、山口智充さん、(後列左から)山田孝之さん、上地雄輔さん、平岳大さん

 狂言師の野村萬斎さんが「のぼう様」と揶揄(やゆ)される戦国時代の忍城(おしじょう)の城代、成田長親役で主演する時代劇映画「のぼうの城」(犬童一心・樋口真嗣監督)で、忍城に攻め入る秀吉・三成の2万の「天下軍」側を演じるキャストが28日、明らかになった。2万超の軍勢を率いて忍城を水攻めにし窮地に陥れる石田三成役に上地雄輔さん、石田三成と厚い友情で結ばれ忍城に攻め入る大谷吉継役に山田孝之さん、居丈高な態度で長親に開戦を決意させる長束正家役に平岳大さん、さらに当時の関白で天下統一の野望に燃える豊臣秀吉役で市村正親さんが出演する。

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 26日に東映京都撮影所(京都市右京区)で製作現場会見が開かれ、主演の萬斎さんや今回発表された天下軍の秀吉以外の3人のほか、ヒロイン甲斐姫役の榮倉奈々さん、成田家の侍大将の丹波役の佐藤浩市さん、和泉役の山口智充さん、靭負役の成宮寛貴さんが出席した。

 石田三成役の上地さんは「(撮影は)すごく暑かったり、寒かったり、(よろいが)重かったり、(時間が)長かったり。でも、現場のスタッフやキャストが温かくて、楽しく、役者冥利に尽きる役なので楽しみながらやらせていただいております」と時代劇の撮影に苦労しながらも楽しんでいる様子。忍軍は、成宮さんが「浩市さんも萬斎さんも山口さんも奈々ちゃんも皆が盛り上げ隊長みたいな感じなので、笑いが絶えない現場です」と話すように、待ち時間の方が楽しいぐらい盛り上がっている様子で、忍軍のチームワークの良さを耳にした上地さんは「うらやましいなと思っておりました(笑い)。僕たちもクランクインして2カ月近くになるんですけど、僕たちは昨日初めて成田軍にお会いしたのですが、それまで2カ月間3人で負けないぐらい仲よく和気あいあいと過ごしております。プライベートでも飲みに行ったり、ご飯食べたりしているぐらい」と仲の良さを競ってライバル心をむき出しにしていた。

 主演の萬斎さんは、「合戦シーンやCG技術が発揮される水攻めなど、スケール感の大きさと同時に成田軍と三成軍の群像劇的な個性のぶつかり合いや、人間くささも垣間見られる映画になっていると思います。親の心も反映され、子の心もあり、そして恋愛関係もあり、友情もあり、人の死ということもあり、生きるということも描き、本当に楽しめる、3世代ぐらいで手をつないで見に来ていただきたいなと思っております」と映画をPRした。

 「のぼうの城」は累計100万部の発行部数を記録する和田竜さんのベストセラー小説が原作。家臣・領民から「のぼう様」と呼ばれる忍城の城代、長親は、「でくのぼう」ながらも底知れないスケールの大きさで、領民たちの心をつかんでいた。天下統一を目指す豊臣秀吉率いる2万人の大軍を指揮した石田三成の水攻めにも屈せず、たった500人の兵で抗戦。従来の武将とは異なる成田のヒーロー像と、でくのぼう軍の攻防をダイナミックに描く。映画化実現まで7年かかったという戦国エンターテインメント映画は、11年秋に全国東宝系で公開予定。(毎日新聞デジタル)

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