注目映画紹介:「クレイジーズ」 ジョージ・A・ロメロの感染パニック映画が原案 人々が凶暴化

「クレイジーズ」の一場面。(c)2010 Overture Films,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
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「クレイジーズ」の一場面。(c)2010 Overture Films,LLC ALL RIGHTS RESERVED.

 「感染パニック映画の原点にして決定版」というキャッチコピーが付いた映画「クレイジーズ」(ブレック・アイズナー監督)が13日、公開される。原案は、映画「ゾンビ」(78年)などで知られるジョージ・A・ロメロ監督が、73年に完成させた作品「ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖」。当時この作品は米国では、公開されてもほとんど話題に上らず、日本でもテレビで放送されただけだった。そんな背景を知ると、宣伝文句の「原点」の意味も理解できる。

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 物語は、米国中西部の架空の町を舞台に繰り広げられる。謎のウイルスによって人々が凶暴(クレイジー)化し、軍はこの事件を秘密裏に処理するため、住民を隔離し始める。主人公の保安官デヴィッドとその妻ジュディも感染者と見なされ拘束されてしまった。2人は町からの脱出を図るが……というストーリー。

 「ゾンビ映画」と紹介しそうになるが、ウイルス感染者は患者、つまりは生身の人間だ。ゾンビなら“処理”するシーンも腹をくくって見られるが、人間となるとそう単純ではないから始末が悪い。人間を封じ込め、町全体の焼却を図ろうとする軍隊。本来は国民を守るはずの組織が、国民殺しに加担する恐ろしさに背筋が凍る。

 ゾンビ映画ではないから、おどろおどろしい映像、例えば頭が吹き飛ばされたり、内臓がはみ出したりといった場面は少ない。とはいえ、電動ノコギリを持つ患者が向かって来たり、ナイフやライフルが武器として登場する以上、痛そうな映像はけっこうある。

 主人公デヴィッドを演じているのは、「ダイ・ハード4.0」の悪役で注目され、それ以前はグレン・クロースさん主演の米テレビドラマ「ダメージ」で怪しい男キャラを演じていたティモシー・オリファントさん。その妻ジュディに、「サイレントヒル」や「サロゲート」などに出演しているラダ・ミッチェルさん。メガホンをとったのはマシュー・マコノヒーさん主演のアクション・アドベンチャー「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」を手がけたアイズナー監督。余談ながら監督の父親は、米ディズニーの元最高経営責任者マイケル・アイズナー氏だ。13日からシネマサンシャイン池袋(東京都豊島区)、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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