注目映画紹介:「行きずりの街」ミステリーというより人間ドラマ 阪本順治監督の新境地

「行きずりの街」の一場面 (C)2010「 行きずりの街」製作委員会
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「行きずりの街」の一場面 (C)2010「 行きずりの街」製作委員会

 92年に「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得した志水辰夫さんのベストセラー小説を、「闇の子供たち」(08年)や「座頭市THE LAST」(10年)の阪本順治監督が映像化した「行きずりの街」が20日に公開される。主人公を演じるのは、今年デビュー25周年を迎えた仲村トオルさん。仲村さんにとって50本目の映画出演作となる。

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 かつて、教え子とのスキャンダルで教職を追われ、いまは郷里で塾講師をしている波多野和郎(仲村さん)が、消息を絶った元教え子(南沢奈央さん)の行方を捜すために12年ぶりに上京する。教え子の失踪(しっそう)に、自分を追放した名門高校が関与していることを知った波多野は、過去と決別し、誇りを取り戻すためにどす黒い陰謀に立ち向かっていく……というミステリー。

 これは、波多野が事件をきっかけに、過去のあやまちを償うと同時に、昔愛した女性への思いを再認識する話だ。サスペンスミステリーというより、ヒューマンドラマやラブストーリーの色合いが濃く、「骨太」や「社会派」といった印象の強い阪本監督の作品としては新鮮に映る。

 共演は、波多野の別れた妻・雅子役に小西真奈美さん、消息を絶った波多野の教え子に南沢さん。ほかに窪塚洋介さん、石橋蓮司さん、江波杏子さんら個性的な役者がそろった。また、主題歌「再愛~Love you again~」は、湯川れい子さんが作詞、小室哲哉さんが作曲とアレンジを担当している。20日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル) 

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