はじめの1巻:「戦国八咫烏」銃の名手・雑賀孫一の活躍描く戦国活劇 南蛮との対決も注目

小林裕和さんが「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のマンガ「戦国八咫烏」1巻の表紙
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小林裕和さんが「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のマンガ「戦国八咫烏」1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、戦国の乱世を生き抜いた火縄銃の名手・雑賀(さいか)孫一の活躍を描いた小林裕和さんの「戦国八咫烏(せんごくヤタガラス)」(440円)です。

ウナギノボリ

 1564年の尾張国(現愛知県)、砦(とりで)から人込みの中をぬって逃げる間者(スパイ)を、一発の銃でしとめた男の名は雑賀孫一。火縄銃を操る集団「雑賀衆」を率い、織田軍に加わった孫一だが、味方はわずか300人で、守りを固める1000人の敵が立ちはだかる。孫一は「お前等(まんら)を勝利に導いちゃる!」と宣言。策を用いて敵軍を乱し、銃を手に敵陣へ突っ込んでいく……というストーリーだ。

 ◇編集部からのメッセージ 週刊少年サンデー編集部 萩原啓佑さん 「漢たちの生きざまを見て」

 「かっこいい漢(おとこ)たちが描きたい」小林氏のその一言が、このマンガの原点でした。そこからさまざまな議論を重ね、生まれたのが「雑賀孫一」という主人公像、ひいては「戦国八咫烏」という作品です。命を懸けた戦いが日常だった時代、だからこそ表現できる快感や感動を、めいっぱいつめこんでおります!

 その上で、せっかく少年誌でやるなら新しいことに挑戦しようと考えた結果、南蛮の日本侵略を阻止すべく孫一が英雄たちを導く……という物語ができあがりました。この作品の戦国史は、教科書に載っているそれとは全く違う経緯をたどります。

 雑賀衆頭領・孫一は、その男気で名だたる武将たちをどう導いていくのか? 戦国最強の火縄銃集団・雑賀衆が、日本よりも100年文明の進んだ南蛮勢力とどう戦っていくのか? 我々が知っている“常識”をも覆す漢(おとこ)たちの生きざまを、ぜひその目でご覧ください! そして、今後進展していく日本vs.南蛮という斬新な「戦国」の構図にも、ご期待いただければと思います!

 さらにさらに、作家が毎週「今週こそは作画が間に合わないかも……」と弱音を吐く大迫力の合戦シーンや、度重なるリテークの後に完成するキャラビジュアルにも大注目!! 見どころ満載の「戦国八咫烏」、どうぞよろしくお願いします!

 ◇書店員の推薦文 鹿児島・ひょうたん書店の筒口征洋さん 「創作された自由な物語に期待」

 雑賀孫一のような人物にもスポットが当たり、こうして少年マンガの主役になるなんてなんともうれしいですね。大きな理想を抱く孫一を前に、天下取りに対する思いを語る武将たちの姿が新鮮であり、頼もしくもあり、今後の盛り上がりを予感させてくれます。既にかなり創作の部分が大きい自由な物語となっており、登場する武将たちが孫一とどんな関係になっていくのか期待させてくれますね。こうなったら今までのイメージにとらわれない、思い切ったドラマを読んでいきたいです。

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