本の王子様:年間トップは新鋭「ドリフターズ」 青年マンガ冬の時代へ

1位に輝いた「ドリフターズ」1巻(少年画報社)
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1位に輝いた「ドリフターズ」1巻(少年画報社)

 マンガ、ライトノベルの専門店「まんが王八王子店」のバイイングマネジャー・日吉雄さんが、売れ筋商品を毎週報告する「本の王子様」。今回は特別編として、コミックスの年間ランキング(09年12月~10年11月)を基に、今年のマンガ事情を振り返ってもらいました。1位に輝いたのは7月に発売された「ドリフターズ」1巻(少年画報社)でした。

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 アニメ化もされた「ヘルシング」などで知られる平野耕太さんの新作「ドリフターズ」1巻がトップでした。元々ファンの多い作家さんでしたが、作品がちょっと変わった印象があり、織田信長ら歴史上の人物が一堂に会するというとっつきやすい設定も多くのファンをつかんだ要因でしょう。また、当店ならではの事情としては、他店で売り切れが相次ぐ中でしっかりと在庫を持っていたというところもトップになった理由の一つでしょうね。

 2位はアニメ第2期も絶好調だった「けいおん!」3巻でした。なお通販では店舗の倍近く売り上げている作品です。3位は「鋼の錬金術師」24巻。最後までテンションを切らさず盛り上がったまま終わった作品でしたが、終わるのがもったいなかった気もしてしまいます。

 市場全体をみてみると、成功と失敗の差が激しくなっており、中堅どころの売り上げが軒並み落ちています。特に青年誌のマンガは落ち込みが顕著ですね。マンガとアニメは親和性が高いため、アニメ化が成功すればマンガの方にもいい影響があるのですが、ドラマ化の場合はあまり売り上げに結び付かないケースが多いと感じます。

 電子書籍の影響もちらほら見受けられるようにはなりました。ただ、今年ブレークした「マンガで分かる心療内科」もそうですが、ウェブコミックとして無料で見られるからといって、書籍化されても売れないかというとそうではありません。来年は、「BE・LOVE」など講談社の女性向けマンガ誌や芳文社の「まんがタイムきららフォワード」などの作品に注目しています。

 ◇10年のランキング

1位 ドリフターズ(1)

2位 けいおん!(3)

3位 鋼の錬金術師(24)

4位 迷い猫オーバーラン!(1)

5位 鋼の錬金術師(25)

6位 よつばと!(10)

7位 魔法少女リリカルなのはVivid(1)

8位 けいおん!(4)

9位 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(6)

10位 ONE PIECE(56)

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