有川浩(ありかわ・ひろ)さんの小説を映画化した「阪急電車 片道15分の奇跡」(三宅喜重監督)の製作報告会見が22日、東京都内のホテルで行われ、主演の中谷美紀さん(35)、戸田恵梨香さん(22)らキャストが出席。婚約中の恋人を後輩社員に奪われ、2人の結婚式にウエディングドレス姿で乗り込む女性・翔子を演じる中谷さんは「できれば翔子のような人生は歩みたくない。ほどほどが一番かな。人並みになんでもない日常を送りたい」と話した。
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「阪急電車」は、有川さんが隔月刊の文芸誌「papyrus」(幻冬舎)で連載した連作短編で、75万部のベストセラーとなった。兵庫県の宝塚駅から今津駅までを15分で結ぶローカル線の阪急今津線を舞台に、主人公や女子大生、おばあさんと孫娘、主婦、女子高生、オタク大学生ら乗客たちのさまざまな人生を描いた群像劇。結婚式の引き出物袋を手にした白いドレス姿の女が、宝塚南口の駅から電車に乗り込む。今にも泣きだしそうな表情の女性は、恋人を奪われ、復讐(ふくしゅう)に燃えて結婚式に押しかけたが、追い出されてきたのだった……というストーリー。脚本は「いま、会いにゆきます」(04年)の岡田惠和さんが手がけ、主題歌はaikoさんの「ホーム」が起用された。
ダメな彼氏に振り回される女子大生を演じる戸田さんは、電車での思い出を聞かれると、撮影のために乗った新幹線で、自身の指定席に間違えて座っていた見知らぬ男性サラリーマンと意気投合したことを明かし、「ずっと名古屋までお話をしました。酎ハイをごちそうしてくれて、2人で乾杯しました。それがすごく楽しくて心に残る思い出」と話し、中谷さんらを驚かせた。戸田さんは男性に「女優さんに似てますね」と言われ、「よく言われるんですけど、違うんです」とかわしたという。
中谷さんは初共演した戸田さんを「初めてお会いした時からキラキラ輝いていた」と絶賛し、戸田さんは中谷さんを「子供の時からあこがれの女優さんの一人。中谷さんの人柄を初めて知ることができて感動しました。勉強になりましたし、これからもついていきたいと思います。よろしくお願いします」と頭を下げていた。
会見には曲がったことが大嫌いな老婦人役の宮本信子さん(65)、その孫娘役の芦田愛菜ちゃん(6)、セレブ気取りの奥様グループと付き合う庶民的な主婦役の南果歩さん(47)、三宅監督も出席した。
映画は、10年11月25日にクランクインし、撮影はすべて関西ロケで行われ、約3000人のエキストラが参加した。阪急電鉄が撮影用に電車を走らせるなど全面的に協力し、配給元の東宝が属している「阪急阪神ホールディングス」の約30社がバックアップして大々的にPRする。4月23日に関西で先行公開され、同月29日に全国公開。(毎日新聞デジタル)
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