女優の相武紗季さん(25)が23日、東京都内のスタジオで、映画「唐山大地震−想い続けた32年−」(フォン・シャオガン監督)の公開アフレコを行った。相武さんはアフレコ前にニュージーランド・クライストチャーチ市で22日発生した地震について「被災された方々にお見舞い申し上げます。いまだ発見されていない方々が一刻も早く発見されますことを、そして被災者の皆様の生活の一日も早い復興をお祈り申し上げます」と真剣な表情でコメントした。
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映画は、中国で2000万人が涙したことから、“催涙(さいるい)弾映画”と呼ばれ、興行収入歴代最高記録を樹立した。76年7月28日に実際に起こり、死者24万人、重傷者16万人という被害を出した中国・唐山の大地震で、倒壊する建物の中で夫を失った母は、翌朝残された2人の子供ががれきの下で奇跡的に息をしていることが伝えられるが、同時に姉弟のどちらか一人しか助けられないという残酷な状況が告げられ、母親は「息子を……」と答えて泣き崩れる。だがその声は姉の耳にも届いていた。32年の時は流れ、奇跡的に生き延びた娘は養父母の元で成長し、親子の運命が大きく動き出す……というストーリー。相武さんは、母親に見捨てられたが息を吹き返して成長した主人公ファン・ドン役で、幼少期は、子役の芦田愛菜ちゃん(6)が演じる。
相武さんは、演技の幅が広く、兵庫県出身で阪神大地震を経験しており、作品のメッセージを伝えてくれるとして起用された。「中盤から最後にかけて涙が止まらない。何度も見返したんですけれど、その度に涙が出てくる。すごい作品だなと思いました」と語り、実写版映画の吹き替え初挑戦については「声の強弱だったり、遠くの人への声のかけ方や声の張り方をアドバイスしてもらった。(吹き替えでは)早口にならないように、口を合わせながらスピードは気をつけました。すごく難しかったですけれど、生身の方に声を吹き込むのはいい経験をさせていただいた」と笑顔を見せた。
映画について相武さんは「日本は地震が多い国なので、震災がどれだけ人生に影響を及ぼすのか考えさせられました。大切な方と、ご家族と見てほしい。改めて人のつながりの大切さを感じられる作品だと思います」と語っていた。映画は3月26日全国ロードショー。(毎日新聞デジタル)
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