小栗旬:新型コロナに立ち向かう映画「フロントライン」で主演 共演に松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介

映画「フロントライン」のビジュアル(C)2025「フロントライン」製作委員会
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映画「フロントライン」のビジュアル(C)2025「フロントライン」製作委員会

 俳優の小栗旬さん主演で、松坂桃李さん、池松壮亮さん、窪塚洋介さんが共演する映画「フロントライン」(関根光才監督)が、2025年6月に公開されることが分かった。新型コロナウイルスを事実に基づく物語として、オリジナル脚本で映画化した日本で初めての作品となる。

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 物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。映画では、同日から乗客全員の下船が完了した2月21日までを描く。

 災害医療を専門とする医療ボランティア的組織のDMAT(ディーマット)の指揮官・結城英晴を小栗さん。厚生労働省から派遣された役人の立松信貴を松坂さん、DMAT隊員・真田春人を池松さん、結城とは“戦友”とも呼べる過去を持つ仙道行義を窪塚さんが演じる。

 小栗さんは「当時自分が知らなかった(新型コロナウイルスと)戦った人たちがいるという物語に非常に引き込まれましたし、映画として作るべきものだなと感じた。日常を取り戻したこの状況の中で、忘れてはいけないかなり大きな出来事だなと思うし、それを映画として届けられるということは僕たちにとっても挑戦的だった」と振り返った。

 松坂さんは、初共演の小栗さんについて「一人一人に対して真摯(しんし)にコミュニケーションを取っていらっしゃるし、現場での立ち姿も含めて、小栗さん全体が作品を包み込もうとする、そういう温かさを持った方。それがすごく(小栗演じる)結城とリンクする部分がある」と語った。

 池松さんは「自分がフロントラインに行って何ができるかわからないけれど、少しでもあの時にあったことを追体験するべき」と出演を決めた理由を話した。窪塚さんは、ドラマ「GTO」(1998年)以来、26年ぶりの小栗さんとの共演となり、「旬が声をかけてくれて、新型コロナウイルスの話なんだけど興味があるかって。ちょっと警戒したんだけど台本に感銘を受けて、これはぜひやりたい」と裏話を明かした。

 ◇企画・脚本・プロデュースの増本淳さんコメント

 きっかけは、まだ私たちの生活に新型コロナウイルスが深く入り込んで来る少し前、2020年3月の初めごろに出会った、クルーズ船に乗船した医師との会話でした。当時は新型コロナウイルスがまん延するクルーズ船のことを、マスコミが盛んに伝えていましたので、私もわかったつもりでおりました。ところがその医師が語ってくれた船内の実態は、世の中に知られていないことばかりで、驚くべきことや涙なくしては聞くことのできないエピソードの連続でした。

 日本中の誰よりも先に未知のウイルスに立ち向かうこととなった医師や船員、乗客たちはどれほどの恐怖や葛藤を味わったのでしょうか。また家族は彼らをどんな気持ちで送り出したのでしょうか。私はこの知られざる愛と勇気の物語を一人でも多くの人に共有してもらいたいと考えました。そしてこの度、多くの人々の協力を得て、こうして皆さまに映画という形でお届けできることになりました。

 ◇関根光才監督コメント

 未知のウイルスがもたらす「パンデミック」というものについて、2020年以前の私たちはほとんど無知であり、その衝撃に、私たちは人生が静止するかのような経験を共にしました。全人類が共有することになる出来事というのは、私たちが生きている間あと何回起こり得るでしょうか? その最初期に起きたとあるクルーズ船での「クラスター」、それもこの初めて経験する恐ろしい事態に突然放り込まれ、立ち向かうことになった最初の医療従事者たちやさまざまな人々の葛藤や愛の実話を、増本淳さんのオリジナル脚本で映画化する……稀有で、挑戦的で、私たち皆が共有すべき作品になると思いました。

 そしてこの作品に参加できるなら、それはフィルムメーカーとしての重要な責務だとも感じていました。もし次にパンデミックが起きた時、私たちは一体どうするのか……知られざる物語からひも解ける何かが、きっとあると思います。

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