わさお:歌手デビュー 青森先行公開で自身の歌に聴きほれる 薬師丸さんも太鼓判

映画「わさお」の先行公開舞台あいさつに登場したわさおと薬師丸ひろ子さん(右から3人目)ら
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映画「わさお」の先行公開舞台あいさつに登場したわさおと薬師丸ひろ子さん(右から3人目)ら

 白神山地のふもと青森県鰺ケ沢町に実在する秋田犬の雄で、不細工だけどかわいい「ブサかわ犬」として人気を集める秋田犬「わさお」と人々とのふれあいを描いた映画「わさお」(錦織良成監督)が青森県内の2劇場で26日に先行公開され、舞台あいさつで映画の主題歌「僕の宝物」をわさおが“歌った”特別編が披露された。主演女優の薬師丸ひろ子さんは「私も歌っている主題歌ですが、わさお版もとてもいい感じだと思います」と太鼓判を押し、わさおは耳をピンと立てて自分自身の歌に聴きほれていた。

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 薬師丸さんは「すべて青森で撮影した『わさお』がいち早く青森の皆様にご覧いただけて本当にうれしいです。この作品は、訓練されていないわさおが、次第にこちらの感情を読み取ってくれているかのような奇跡のお芝居に感動してしまって、リアクションができなくなるシーンがたくさんありました。青森に着いて雪を見たら、何だか、わさお君と(飼い主の)菊谷さんの雪の中の日常が感じられて、涙があふれてきました」と感激したことを明かした。

 青森コロナシネマワールド(青森市)には三村申吾・青森県知事も駆けつけ、「青森の人々の人情、わさお、この映画にはすべてが詰まっていると思います」とあいさつ。ワーナーマイカル弘前(弘前市)では、薬師丸さんと錦織監督がレッドカーペットを歩いた。

 わさおの歌は、映画でわさおの飼い主を演じる薬師丸さんが22年ぶりに歌う主題歌「僕の宝物」の特別編として、ケータイ向け音楽配信サイト「レコチョク」から「着うた」で配信される。普段はめったに鳴かないというわさおだが、今回は55時間分に及ぶわさおの出演シーンの中からマイクを置きっぱなしにして録音に成功した。

 なお現在、日本ユネスコ協会連盟の「世界遺産活動 特別大使“犬”(ワンバサダー)」を務めているわさおは、歌声配信による一部収益を、未来の子どもたちに世界遺産を引き継ぐための「ぷらすワン募金」に寄付するとしている。また今回、同連盟の理念「地球のたからもの」と、映画の主題歌「僕の宝物」が「たからもの」つながりだったことも歌手デビューにつながったという。

 映画は、07年10月まで捨て犬だったわさお自身の過去がモチーフ。鰺ケ沢町でイカ焼き店を営むセツ子(薬師丸さん)は迷い犬を見つけ、わさおと名付けて飼うことにした。セツ子はわさおに愛情をかけるが全く懐かない。毎日のように訪れる少年・アキラ(伊澤柾樹君)は、飼い犬が原因の事故で母親が入院中だが、セツ子の店で動物と触れ合うことで寂しさを忘れることができた。やがてわさおはセツ子に心を開いていく……という物語。薬師丸さんのほか、甲本雅裕さん、鈴木砂羽さん、佐野史郎さん、笹野高史さん、平田満さんらが出演している。3月5日から全国でロードショー。(毎日新聞デジタル)

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