俳優の阿部寛さんが27日、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれている第3回沖縄国際映画祭で主演映画「天国からのエール」(熊澤誓人監督)が国内初上映され、舞台あいさつに登場した。阿部さんは東日本大震災の翌日、映画の撮影のためにイタリアに旅立ったといい、「向こうの方も日本のことを心配してくれた。戻ってきたら想像のつかないくらいの状況になっていた。日本人としてできることを精いっぱいしていきたい」と被災地にエールを送った。
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阿部さんは、音楽を志す高校生たちを応援したい一心で、沖縄県本部町の弁当屋「あじさい弁当」の隣に借金をして手作りで無料の音楽スタジオ「あじさい音楽村」を建てた実在の人物、仲宗根陽(なかそね・ひかる)さんをモデルにした主人公を演じた。スタジオからは多くの高校生バンドがプロとして巣立ってきたが、仲宗根さんは志半ばで病に倒れ、腎臓がんと闘い、余命を知りながらも懸命に活動を続け、09年11月に42歳の生涯を閉じた。生前の仲宗根さんの様子はNHKでドキュメンタリー番組にされ、「僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL」という本にもまとめられた。映画はこの本を原案にしており、妻役にミムラさん、プロを目指す高校生バンドの紅一点役を桜庭ななみさんが演じている。
熊澤監督は「昨年10月から1カ月強、本部町で撮影し、その間の準備を含めて2年間、沖縄の方とお話をさせていただきながら完成させました。日本で最初に沖縄の方に見ていただくのがすごくうれしい」と喜んだ。阿部さんは「沖縄の子たちはすごく元気で気さくに話しかけてくれ、純粋な子もたくさんいて高校のときに戻ったようで支えられながら楽しく撮影できた」と撮影中のエピソードを披露し、「仲宗根さんは亡くなりましたが、人のために何かできないか、夢をあきらめるなと常に言っていた。映画を見て、何か一つでも持って帰っていただけたら」とメッセージを送った。
上映後、阿部さんらが会場ロビーで募金活動を行い、30分間で1000人が募金。Tシャツ姿になった阿部さんは協力者一人一人に握手をし、お礼を言っていた。映画は10月に全国でロードショー予定。(毎日新聞デジタル)
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