注目映画紹介:「トゥルー・グリット」 少女を主人公にした勧善懲悪の西部劇

「トゥルー・グリット」の一場面 (c)2010 PARAMOUNT PICTURES.All Rights Reserved.
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「トゥルー・グリット」の一場面 (c)2010 PARAMOUNT PICTURES.All Rights Reserved.

 今年の米アカデミー賞で、14歳の少女が助演女優賞にノミネートされるなど話題となった作品「トゥルー・グリット」が全国で公開中だ。「ノーカントリー」で07年にオスカーの監督賞に輝いたコーエン兄弟の最新作。

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 牧場主である父親を雇い人のトム・チェイニーに殺された14歳の少女マティ・ロスは、父の敵を討つために、飲んだくれだが“トゥルー・グリット(真の勇気)”を持つといわれる連邦保安官ルースター・コグバーンを雇う。追跡の道すがらテキサス・レンジャーのラビーフが加わり、トムを追い詰めていく3人の姿が描かれていく。

 主演のジョン・ウェインさんがオスカーに輝いた69年の作品「勇気ある追跡」のリメーク。同時に、不朽の名作といわれるチャールズ・ポーティスさんによる小説の映画化でもある。「勇気ある追跡」が、ウェイン演じるルースターを主人公にしているのに対して、今作はマティを中心に物語が進んでいく。初めてのジャンルに徹底的に取り組みたいというコーエン兄弟の意思通り、勧善懲悪の西部劇であると同時に、少女の冒険物語であり、旅の過程で培われる少女と老保安官のきずなも描く。

 マティを演じたヘイリー・スタインフェルドさんは96年生まれ。13歳のときにオーディションで役を勝ち取り、映画デビュー作となったこの役で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。一方のルースター役のジェフ・ブリッジスさんは昨年アカデミー賞主演男優賞に輝いた「クレイジー・ハート」に続き、今回も同賞でオスカー候補となった。惜しくも受賞は逃したが、味のある演技を披露している。そのほかに、マット・デイモンさんがテキサス・レンジャーのラビーフ役で、ジョシュ・ブローリンさんがトム役で出演している。TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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