いしだあゆみ:「一日も早く美しい宮城に」と涙 映画「エクレール・お菓子放浪記」ロケ地に思い

映画「エクレール・お菓子放浪記」の舞台あいさつで募金を呼びかけるいしだあゆみさん
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映画「エクレール・お菓子放浪記」の舞台あいさつで募金を呼びかけるいしだあゆみさん

 宮城県石巻市でロケが行われた映画「エクレール・お菓子放浪記」(近藤明男監督)のチャリティー試写会が26日、ニッショーホール(東京都港区)であり、いしだあゆみさんは「美しかったころの情景が鮮明でその情景を覚えていたい。一日も早く、美しい、素晴らしい宮城に戻ることを考えています」と涙ながらに声を詰まらせた。

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 映画は、35年にわたるロングセラーを続けている西村滋さんの自伝的小説「お菓子放浪記」が原作。昭和17年、金平糖を盗んで捕まった少年アキオ(吉井一肇君)は、刑事からもらった菓子パンを生まれて初めて口にして夢見心地に。感化院でのつらい日々を送る中、アキオを救ったのは教員・陽子(早織さん)の歌う「お菓子と娘」だった。翌年、アキオは、フサノばあさん(いしださん)の養子となるが、フサノはアキオを労働力としてしかみておらず、アキオは旅回りの紋三郎(林隆三さん)の一座と巡業に出ることに。ようやく居場所を見つけたアキオだが、戦争がすべてを奪ってしまった。絶望するアキオを救ったのは「お菓子の力」だった……という物語。

 舞台あいさつにはいしださんと林さん、早織さん、三上寛さん、駒田徳広さん、松村良太さん、近藤監督が出席。出演料の全額寄付を表明している林さんは「映画の中の(戦争という)状況と今の日本の状況が重なる部分が多く、ぜひ見てほしい映画です」とコメントした。

 舞台あいさつの前には今回の震災で犠牲になった方々への黙とうも行われた。イベントで集まった募金や前売りチケット収益金の一部は、「『エクレール・お菓子放浪記』製作と上映を支える宮城県民の会」を通じて宮城県に寄付される。映画は、5月21日からテアトル新宿ほか全国で順次公開。(毎日新聞デジタル)

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