全世界で29億ドル(約2430億円)を超える興行収入を記録した劇場版アニメシリーズ「シュレック」の最終章「シュレック フォーエバー」(マイク・ミッチェル監督)のブルーレイ(BD)&DVDがこのほど発売され、日本語吹き替え版で今作から登場するシュレックの敵・ランプルスティルスキンの声を担当した劇団ひとりさんが取材に応じた。ひとりさんは「ちょい役かと思ったらせりふも多くって、準主役のような扱い。夢のようでした」と当時を振り返ったが、「今までのアフレコの仕事の中で、一番大変だった」と苦労も語った。(毎日新聞デジタル)
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「シュレック フォーエバー」は、シリーズ誕生から10年を経て、最新の3Dを駆使して製作されたシリーズ4作目。自由な怪物に戻りたいと思っていたシュレックが、ペテン師の魔法使いにだまされ、パラレルワールドへと送り込まれてしまい、元の世界に戻るタイムリミットは24時間しかない……というストーリー。日本語吹き替え版では、シュレックの声を浜田雅功さん、フィオナ姫の声を藤原紀香さん、ロバのドンキーの声を山寺宏一さんが演じている。最終章のストーリーについて、ひとりさんは「幸せっていうのは慣れちゃいますね。だからシュレックの過ちは誰にでもあるかもしれない」とシュレックに共感し、「娘が大きくなったらぜひ見せてあげたい。でも嫌な役なんで、最初は演じていることは言わないでおこうかな」と笑った。
小さい体でシュレックを翻弄(ほんろう)するランプルスティルスキンについて、ひとりさんは「甲高い声を作ったけれど、結局ノーマルに近い形になった。多重人格めいているキャラクターなので(台本)2行ごとに、キャラクターが変わるような感じ。なので2行ごとにいろんなパターンを収録しました」と難しさを語った。演出ではアメリカのプロデューサーとのニュアンスの違いがあったといい、「日本人が外国人にわび・さびを説明できないのと同じで、監督もきちんと説明できないんだけれど、ミリ単位で細かく演出するので『えらい現場に来てしまった』と思いました。これは相当ストレスたまるぞ、と覚悟を決めました」と振り返った。一番苦労したシーンは「魔女たちを集めて演説する場面。ほんの2分くらいの間に喜怒哀楽が行ったり来たりするんです」と苦笑いした。
声優の仕事については「普通より5倍も10倍もオーバーにやらなくちゃいけない。芸人をやっていなかったら多少照れが出ると思うんですけれど、誇張した表現にはまったく抵抗がないのでよかった。周りの評価を聞く分にはなかなかのもんだったんじゃないかな」と自信を見せた。「シュレック3」の白雪姫役で出演した妻でタレントの大沢あかねさんとの共演について聞くと「嫁との共演は一回もなくて、実はしないようにしている。いつになるか分からないけれど、仕事がなくなったときのカンフル剤的にツーショットは取ってあるんです」と明かした。
昨年9月に生まれた娘について、ひとりさんは「自分のコントや小説は大人向けで、子ども向けに作った(自分の)作品がないので、今回のようなお仕事はいい経験をさせてもらったと思っています」と話し、出演できたことを喜び、「今度は長く続くアニメで主役をやりたい。今はマンガの原作にすごく興味がある。マンガには自由度がものすごくあるので可能性を感じます。アニメ化もいいですよね。娘に自信を持って見せられる自分の作品を作りたい」と“野望”を語っていた。
<プロフィル>
1977年2月2日生まれ、千葉県出身。A型。92年にデビューし、00年に「劇団ひとり」としてピン芸人となる。お笑い、バラエティー番組はもちろん、映画では06年に「嫌われ松子の一生」、ドラマでは同年「純情きらり」に出演するなど俳優業もこなし、さらに同年は100万部を突破した小説「陰日向に咲く」を執筆するなどマルチな才能を発揮。声優としても「ドラえもんのび太の恐竜2006」で5役を務めた経歴を持つ。趣味は映画鑑賞、パソコン、自己啓発本。特技はパソコン。
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