ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第21回は、宮沢賢治の「雨ニモマケズ/永訣の朝」だ。
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みなさんこんにちは、乙葉しおりです。
ゴールデンウィーク明けは五月病になりやすいと言われていますけど、みなさんは大丈夫ですか?
そもそも五月病ってなんなんでしょう?
「病」の字はついていますが、医学で分類されている病気ではありません。
新しい学校、新しいクラス、新しい仕事……。春から新しく変わった環境に、どこかなじめないまま連休になって、お休みが終わったときにはもう、学校や仕事に行きたくなくなってしまい、無理をすると身体の調子まで悪くなってしまう。
これらの症状は、すべてストレスが原因で起こっているとされています。
思うように行かないストレスが焦りを生み、冷静な判断力を失わせ、ミスをしてしまうことでますますストレスが溜まる、悪循環ですよね(>_<)
マラソンで全力疾走して、息が上がってもう走れないのに同じペースで走り続けるのは無茶ですし、伸びきったゴムをさらに伸ばそうとしたら切れてしまいます。
こんなときは少し休憩の時間を取って、いつもと違うことをするのが一番ではないでしょうか。
私も朗読倶楽部で失敗してしまったときは、気分転換に自転車でお出かけしています。
少し空気のよいところに行って……何も考えないように心を休めて……
……結局、その場で本を読んでしまったりするんですけど(*^^*)
ではここで、朗読倶楽部のお話です。
前回、朗読の基礎練習を始めたお話をしましたけれど、これとは別に私たちには大きな課題が残されていました。
それはクラブの存続条件の一つ、「短期間で実績を出せる見込みを立てること」です。
実はこの条件、正確な期日が示されていなかったのですが、「短期間というくらいだから1年は待ってくれない、半年でなんとかしないといけないだろう」というのがみんなの共通した意見でした。
基礎の基礎もまだできていない私たちにしてみれば、出来立ての野球部で甲子園に出場するくらいの無理難題に思えたんですけど、部長さんは「できたばかりの地味地味なクラブだから、そのくらい短期間で頑張らないと、目立てない!」と、力強く宣言していたのをよく覚えています。
私としては「目立つとか、恥ずかしいので遠慮したいです」というのがこのときの正直な気持ちでした……実は、今もその気持ちは変わらないんですけど(>_<)
そこで次に問題になったのは、「実績を認めてもらえるような活動とは何か?」です。
ここは朗読倶楽部の結成前に、「実績を作れる勝算がある」と自信たっぷりに部長さんが言っていましたから、私もみかえさんも期待していました。
ですが、その実績作りの方法を聞いたとき……もっと早く聞いておくべきだったと後悔することになったんです。
果たして、その方法とは?
……と、いうところで、今回はここまでです。
次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)
■しおりの本の小道 宮沢賢治「雨ニモマケズ/永訣の朝」
こんにちは、今回ご紹介する一冊は、宮沢賢治さんの「雨ニモマケズ/永訣の朝」です。
「雨ニモマケズ」は、宮沢賢治さんが亡くなった翌年の1934年に遺品の手帳から発見されたもので、冒頭にメモされた11.3の数字から、1931年11月3日に書かれたものとされています。
1931年の9月に出張先の東京で病に倒れた宮沢賢治さんは、実家に戻り療養生活を送っていました。
10月から使い始めたこの手帳には当時の自身に対する自省と願望が数多く書かれていて、「雨ニモマケズ」はその象徴ともいえる作品になっています。
「永訣の朝」は、「無声慟哭」「松の針」とともに1922年11月27日に書かれた後、1924年4月20日に刊行された「心象スケッチ 春と修羅」の一編として収録されました。
宮沢賢治さんが生前に出版された二冊の本のうち、短編集「注文の多い料理店」は以前ご紹介しましたが、もう一冊がこの「心象スケッチ 春と修羅」になります。
「春と修羅」は一般的に考えると「詩集」に分類される本ですが、宮沢賢治さんは尊敬する友人で岩手詩人協会の設立者、森佐一(さいち)さんへの書簡で次のように書いています。
「これらはみんな到底詩ではありません。私がこれから、何とかして完成したいと思って居ります或る心理学的な仕事の仕度に、正統な勉強の許されない間、境遇の許す限り、機会のある度毎に、いろいろな条件の下で書き取って置く、ほんの粗硬な心象スケッチでしかありません」
最愛の妹、トシ(とし子)さんが亡くなられた日に書かれたこの作品は、彼女の言葉を一字一句漏らすまいとしたかのように、花巻ことばのままで収録されています。
そして、この11月27日の三作を書かれた後、宮沢賢治さんはその後半年以上の間、詩も童話も一切書かなかったと言われているのです……。
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