注目映画紹介:「アジャストメント」 マット・デイモン主演 ディックの短編小説を映画化

「アジャストメント」の一場面 (C)2011 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.
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「アジャストメント」の一場面 (C)2011 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.

 SF作家フィリップ・K・ディックの短編小説を映画化した「アジャストメント」(ジョージ・ノルフィ監督)が27日に封切られた。選挙戦に打って出ようとする主人公の上院議員候補デヴィッド・ノリスをマット・デイモンさんが演じたサスペンスアクションだ。

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 映画は、アジャストメント・ビューロー(運命調整局)なる謎の組織のメンバーによって人間の運命は操作されており、カギを忘れるのも、携帯電話が不通になるのも、すべて彼らが“運命の書”に従い“軌道修正”しているからだという設定のうえで進んでいく。メガホンをとったノルフィ監督は、これが監督デビュー作で脚本も担当した。これまで「オーシャンズ12」(04年)の脚本を執筆し、デイモンさん主演のサスペンスアクション映画「ボーン」シリーズの3作目「ボーン・アルティメイタム」(08年)では共同脚本を担当した。

 ディックの小説を「ボーン」シリーズに携わったノルフィ監督がデイモンさんを主演に映画化したと聞けば、極めつけのSFアクションを連想する。確かにそれで間違いないが、ロマンス色の強い展開を「意外だ」と楽しむか、「期待と違う」と批判するかは評価が分かれるところだろう。

 デイモンさんは、今作では「ボーン」シリーズで見せたような歯切れの良いアクションや素早い身のこなしはなく、むしろ重たそうな体で米ニューヨークの街中を必死に駆け回る庶民派の風情で登場する。それだけに、1人の女性をいちずに思い続ける純粋さと情熱、正義感の強さが引き立ち、主人公デヴィッドを共感に足る男にしていた。ほかに「プラダを着た悪魔」(06年)や「ウルフマン」(10年)に出演したエミリー・ブラントさん、「ワルキューレ」(08年)や「ウォンテッド」(08年)のテレンス・スタンプさんらが出演している。27日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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