乙葉しおりの朗読倶楽部:第24回 紫式部「源氏物語 若紫」 美しき“身代わり”

「全訳 源氏物語 一 新装版」作・紫式部、訳・与謝野晶子(角川文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん
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「全訳 源氏物語 一 新装版」作・紫式部、訳・与謝野晶子(角川文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん

 美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第24回は紫式部の「源氏物語 若紫」だ。

ウナギノボリ

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 みなさんこんにちは、乙葉しおりです。

 6月に入って、衣替えをしました。

 学校の制服も、今まで使っていた冬服から夏服に切り替えるんですけど、ちょっとスースーしたりして最初のうちは慣れないですよね。

 他に6月といえば梅雨の季節ですけど、その話題はまた次回にして、今回は、「6月の花嫁」、いわゆる「ジューン・ブライド」のお話をしてみたいと思います。

 「6月に結婚した花嫁さんは幸せになれる」というお話は私も聞いたことがあるんですけど、どうして6月がいいのでしょう?

 ジューン・ブライドはヨーロッパに古くから伝わる伝承だそうですが、なぜ6月なのか?についてはいくつかの説があります。

 その一つとして有力なのが、ローマ神話の女神ユーノーさんに由来している、という説です。

 実は、6月を表す「June」は、彼女の英語読みの名前から取られていて、「6月の女神」とされているんです。

 そして、ユーノーさんは結婚生活を守護する女神でもあり、6月に結婚すると彼女の加護が受けられる、と考えられているんですね。

 それなら、日本でも6月に結婚する人たちが多いんだろうって思うんですけれど、実はそうでもないんです。

 婚姻届の提出は3月や11月が多くて、6月に結婚する人は他の月とそう変わらない程度だそうですから、ちょっと意外ですよね。

 ではここで、朗読倶楽部のお話……というよりは、私の「あがり性のお話」の続きです。

 前回は私がどうしてあがり性なのか、その昔と今をお話しましたが、今回は私の実践しているあがり性克服法のお話です。

 ……と、あがり性の私が言っても、効き目がないみたいに思われちゃうかもしれませんけど、確かによくなっているんですよ!

 ほんのちょっとずつですけど……。

 あがったときは「相手をナスやカボチャと思え」とか、「手のひらに『人』と書いて飲み込むと落ち着く」とかよく言われますけど、私の場合はこういう自分に暗示をかける治療法は効かないようで、かえってあがってしまうんです。

 他には「深呼吸をするといい」と言いますけど、呼吸を整えることはあがり性にも効果があるようで、朗読の発声練習で行っている腹式呼吸も効果が高いのだとか。

 つまり、朗読することと、あがり性克服はつながっているわけですね!(^-^)

 ……で、効果のほどなんですけど、一度朗読を始めてしまえば、周りのことが気にならなくなってしまうくらいにはなりました(*^^*)

 問題は、朗読する前や、朗読と関係ないところではあまり克服できていないことなんですけどね(>_<)

 ……と、いうところで、今回はここまでです。

 次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)

■しおりの本の小道 紫式部「源氏物語 若紫」

 こんにちは、今回ご紹介する一冊は、紫式部さんの「源氏物語」から「第五帖・若紫(わかむらさき)」です。

 以前ご紹介した「第一帖・桐壺」から6年後、18歳になった光源氏が、源氏物語の代表的なヒロインである紫の君(紫の上)と出会う物語で、今回の題名「若紫」も、「桐壺」と同様に登場人物の呼び名から取られているようです。

 瘧(わらわやみ)という熱病にかかった光源氏は、評判の修験僧(しゅげんそう)に祈とうをお願いするために北山のお寺を訪れたのですが、その近くにあるお屋敷で美しい少女(若紫)と出会います。

 初恋の人、藤壺中宮(ふじつぼのちゅうぐう)の面影を少女に見た光源氏は、彼女が藤壺中宮のめいであることを知って、将来の結婚を前提に後見を申し出るのですが、育ての親である祖母の尼君は彼女が幼いために本気にしませんでした。

 しかし光源氏は彼女に執着し、恋しくても手が届くことのない藤壺中宮の身代わりとして、理想的な女性に育てようと考えていたのです……。

 このお話のヒロイン、若紫は、以前「桐壷」をご紹介したときと同様に、本名ではなく呼び名です。

 幼い頃は「若紫」「紫の君」、後に「紫の上」と呼ばれる彼女ですが、この「紫」という呼び名にはどんな意味があるのかご存知ですか?

 光源氏のお母さん「桐壺更衣」と、彼女に瓜二つといわれる「藤壺中宮」。

 二人の呼び名の由来はそれぞれ住んでいたお屋敷に植えられた「桐」と「藤」にちなんでいるんですけど、この二つの花はどちらも紫色なんです。

 「紫」の名で呼ばれるようになったのは、藤壺中宮の親戚であることと、二人の面影を持った光源氏にとって特別な女性であることを意味すると言われていますが、この呼び名といい、光源氏が彼女に執着した理由といい、どちらも身代わり扱いでちょっと可哀そうって感じてしまうのは、私だけなんでしょうか……(>_<)

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