ミムラ:ベテラン俳優に囲まれ演技に刺激「疲れが心地よい」 ドラマ「家族法廷」に出演

「家族法廷」は「シンプルで力強いドラマ」と話すミムラさん
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「家族法廷」は「シンプルで力強いドラマ」と話すミムラさん

 長塚京三さんが妻に先立たれた裁判官・小野寺達彦役で主演し、毎回巻き起こる一家の騒動を描いた連続ホームドラマ「家族法廷」(BS朝日)に、家政婦として小野寺家にやってくる奥村冴子役で出演中のミムラさん。「家庭の事情に首を突っ込んではいけない」という家政婦の鉄則を破り、小野寺家の騒動に一歩引いた立場から解決策を提案する役柄だ。初めての家政婦役を、前髪を垂らした新髪形で演じているミムラさんに、役作りの苦労や撮影の雰囲気、見どころなどについて聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「家族法廷」は、これまで家庭を妻に任せきりにしてきた達彦が、言いたい放題のわがままな家族に振り回され、冴子の手を借りながら騒動をまとめていくという展開のホームコメディー。出演は長塚さん、ミムラさんのほか、達彦の長女役に松永玲子さん、その夫役で六角精児さん、次女役に岩崎ひろみさん、末っ子の長男役にEXILEのTETSUYAさんという顔ぶれだ。

 すべてのシーンは小野寺家の中で撮影されるというワンセットの懐かしいスタイルをとっている。ミムラさんは「ロケもなく、特殊効果もなく、ワンセットの中にずっといる、一人の人間として存在することだけを求められていて、それがどれだけ難しいかというのを味わっています」と撮影では心地よい緊張感を毎回感じるという。「結構短時間で撮影は可能なんですけど、過密にずっと走っている分、すごく疲れるんです。撮影自体はリラックスしていて楽しいんですが、休憩時間がほとんどないので、そんな中で、一息でどうやってエネルギーを使うかとか、頭の中でシーンの整理などフル回転で考えているので、帰るとぐったりしてしまうみたいで。でも、その疲れが心地いいというか、楽しいというか」と舞台公演のような瞬発力を必要とする撮影を、楽しみながら演じている。

 ミムラさんが演じる冴子は、プライベートで問題を抱えているという謎の多い人物。表情からはどんな性格なのか分からないが、どのように役を作り上げていったのだろうか。「冴子は何か一つの膜に覆われているというか、そういう出来事(自身の夫婦間のいざこざ)が起こったときに1枚、よけいなものを着てしまった人だと思ったんです。でも中身はそういう人じゃないなとも思いまして、彼女が持っている多面性というのがどこにあるのかを探りながら演じている感じでしたね」と振り返る。外見的には「あまり無表情を多用すると(彼女の内面が分かってくる)タイミングを逃してしまうんじゃないかという心配から、メークさんと相談して初回だけわざと前髪を長くして表情が見えにくいようにしたり、また働き始めで緊張しているときは声の出し方はかしこまった感じにしたりして。それとは逆に後半は前髪をやや上げて、表情を見えやすくすることで内面の見え方にもつながればな、と(思いました)」と微妙な変化で役を表現した。

 長塚さんをはじめ、ベテラン勢に囲まれての演技は「長塚さんは前から尊敬している大先輩で、ご一緒できたことをうれしく思っています。また撮影が始まったときよりも(撮影の終盤にさしかかった)今の方が小野寺家の空気ができていて、本当に皆さん、とても仲が良くて。有機的なお芝居をされる方ばかりで、テスト、本番と微妙に演技を変えられたり。いつも新しい面を見せていただいてます。台本を読んだだけでも面白いんですけど、皆さんがやるとこんなにも立体的になるものかと、地力のある役者さんがやるとこういうふうになるんだなと勉強になります。私の演じる冴子は立場上、やりとりを見ていることが多いので、芝居している最中もすごく楽しいです」と演技面で刺激を受けている。

 舞台となる小野寺の雰囲気は本物の家族のようにリラックスした空気が流れているという。「一家団結というか、むしろダラダラです(笑い)。それができるというのが、逆に本当の家族の証明でもあると感じます。大先輩が横にいるのに座ってぽけーっとしていても許していただける。もちろん皆さんの優しさありきの話なんですけど、そういう雰囲気に先輩方がしてくださっているので、そこに寄りかかって、楽しくやっていたので、本当に撮影が終わってしまうのが寂しいです」と名残惜しそうだ。

 15日に第8話が放送され、ドラマも佳境に入る。「本当にシンプルな土台に戻って、すごくデコレーションされたケーキもいいけれど、スポンジが風味豊かでふっくらしてないと、(全体も)おいしくないんだということを見せられるドラマになっているんじゃないかなと思います。そういうシンプルなものの力強さというのが伝わると思うので、あまり構えずに肩の力を抜いて見てもらえたら楽しんでいただけるんじゃないかなと思います」とメッセージを送った。

 次回は、ドラマや映画の撮影などで多忙を極めるミムラさんだが、たまの休日の過ごし方や生き方などについて聞く。

 <プロフィル>

 1984年6月15日生まれ。埼玉出身。03年、ドラマ「ビギナー」(フジテレビ系)のヒロイン役オーディションで、女優デビュー。04年には連続ドラマ、「離婚弁護士」(フジテレビ系)に出演。同年の連続ドラマ「めだか」(フジテレビ系)、05年の「いま、会いにゆきます」(TBS系)に主演する。08年に「斉藤さん」(日本テレビ)に出演。さらに、09年にはドラマ 「銭ゲバ」(日本テレビ系)でヒロインを演じた。11年のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」に細川ガラシャ役で出演。映画は「この胸いっぱいの愛を」(05年)でヒロイン役、「落語娘」(08年)では主演を務める。今年10月1日に公開の「天国からのエール」に出演。BS朝日の連続ドラマ第2弾「家族法廷」は毎週水曜午後10時に放送中。

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