福山雅治:ニホンザルの食べ物を食す 「日本は奇跡の列島」と Nスペ「ホットスポット」

「ホットスポット 最後の楽園」日本編の一場面。西表島を訪れた福山雅治さん=NHK提供
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「ホットスポット 最後の楽園」日本編の一場面。西表島を訪れた福山雅治さん=NHK提供

 俳優の福山雅治さん(42)が出演するNHKの自然ドキュメンタリー番組「ホットスポット 最後の楽園」の日本編が26日、放送される。2月に上高地(長野県松本市)、4月に西表島(沖縄県竹富町)を訪れた福山さんは上高地でニホンザルがエサにしている葉を食べたことを明かし、「食べてみたいなと思った。サルも食べるから大丈夫かなと。(撮影では)僕も野生動物」と笑顔を見せた。

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 番組は、生物多様性が高く絶滅が危ぶまれている生物が集中して生息する場所「ホットスポット」で、3年の歳月をかけてとらえた光景を紹介するドキュメンタリー番組。NHKと米、仏、ニュージーランドのテレビ局の共同制作で、世界70カ国で放送。プロローグと全6回のドキュメンタリーで構成され、これまでにマダガスカル編、ブラジル・セラード編などを放送。福山さんはすべてのナレーションも担当している。

 今回の日本編は同シリーズの最終回に当たる。世界で34カ所が指定されているホットスポットの一つである日本は、亜寒帯から亜熱帯までの森が国土の7割を占め、ヤマメに抱きつくカエル、かたつむりだけを食べるヘビ、世界最大のオオサンショウウオなど固有の生き物が生息。福山さんが上高地と西表島を訪れた様子と、さまざまな動物、植物の姿など紹介するドキュメンタリーで構成される。

 福山さんは、2月5~7日に上高地、4月11~13日に西表島を訪れた。上高地を訪れるのは初めてで、西表島には数年前にプライベートで訪れて以来だった。冬は気温が氷点下25度になる上高地では、天然記念物のニホンカモシカやニホンザルに遭遇し、濃霧が凍結して樹木を覆った樹氷も目の当たりにした。冬でも20度近い亜熱帯の西表島では、マングローブの林の中をカヤックをこいで川をさかのぼり、トレッキングなどをして、巨大シジミやホタルの幼虫などを見たという。

 同シリーズで昨年、マダガスカル、ブラジル・セラードを訪れ、今回は日本の両極にある自然の中に身を置いた福山さんは「日本という国はある種、奇跡の列島。僕らが自慢にしていなくても(世界から見ると)宝物に見えるものがある」と実感した。「鉱物や石油などビジネス的なことで資源がないと刷り込まれているが、水が豊かで、再注目されてしかるべき自然を持っている。国の自然と資源を理解し、守り、受け継いでいかなければならない」と語り、番組を通じて視聴者が同じ思いを共有できることを願っている。

 3月11日に発生した東日本大震災について話が及ぶと、これまでもナレーションで地殻変動について触れてきたという福山さんは「地球というものを一つの生命体と考えた場合、我々は地表を借りて生活している。原子力発電所は違う問題として、地震だけについていうと誰のことも責められないんだと改めて感じました。地球の活動を分かった上で、今後どうやって人間が生きていくか試されていくことだと思う。どういう知恵を絞るのかが課題になった」と自身の考えを披露した。

 福山さんは今回のシリーズを通じて「命の誕生の不思議、たくましさ、はかなさを感じた。親がいて自分が生まれてくることが当たり前だと思って生きているが、年を取ってくると生まれてきたことがすごい確率で、誰もが小さな奇跡だとしみじみ感じる」と感慨深げに話し、「年なんでしょうね」と何度も繰り返して、照れ笑いを見せた。今後の音楽活動への影響について「人間、環境、その中で本来はぐくまれなければいけない命、生き物が順応できないレベルの環境変化を引き起こした状況……命にまつわるさまざまなことが歌になっていくんだろうなと感じています」とコメントした。

 番組は「ホットスポット 最後の楽園 日本 私たちの奇跡の島」と題され、26日午後9時~同49分にNHK総合で放送される。(毎日新聞デジタル)

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