楳図かずお:74歳で歌手に転身 「おろち」の劇中歌「新宿烏」を情念たっぷりに歌う

74歳のマンガ家・楳図かずおさんが歌手に転身
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74歳のマンガ家・楳図かずおさんが歌手に転身

 マンガ家の楳図かずおさん(74)が、歌手デビューすることが4日、明らかになった。楳図さんのマンガが原作で08年に映画化された「おろち」の劇中歌で、女優の谷村美月さん(21)が歌った本格演歌「新宿烏(しんじゅくがらす)」を、楳図さんが情念たっぷりに歌い上げる。マンガ家と並行して音楽活動を行うことで知られる楳図さんだが、企画ものでリリースした作品を除く本人名義としては初めてのシングルとなる。27日発売。

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 楳図さんは1936年9月3日、和歌山県生まれ。55年にマンガ「森の兄妹」でデビューし、「へび少女」など独特のタッチのホラー作品で注目され、72年から「週刊少年サンデー」(小学館)で「漂流教室」を連載し、小学館漫画賞を受賞した。76年から連載したギャグマンガ「まことちゃん」が大ブレークし、親指と人さし指、薬指を突き立てる「グワシ」のポーズは一世を風靡(ふうび)した。

 一方で楳図さんは音楽活動にも熱心に取り組み、独学でピアノをマスター、自身で譜面を書けるほど音楽に精通している。歌手の郷ひろみさん(55)に「寒い夜明け」の歌詞提供や、酒井政利さん(72)プロデュースで自身で全曲の作詞作曲を担当したアルバム「闇のアルバム」(75年)のリリースをしている。

 「新宿烏」は、新宿の片隅で行くあてもなく生きる人間の心の暗闇を描いており、「明日は知れない、今日1日を、ひとりさまよう夜の底、どうせ飛べない、新宿烏」と情念を感じさせる歌詞とメロディーが印象的な楽曲。楳図さん自身が作詞を担当し、ギターと歌だけでレコーディングを行った。カップリング曲には、楳図さんが作詞を手がけた近田春夫さんの名曲「ああ レディーハリケーン」を収録する。

 初回特典で、全7種類中1枚が封入される「楳図かずおトレーディングカード」が付録される。「金のグワシカード」が当たると、関係者以外誰も入ることができないという東京都武蔵野市の「楳図ハウス」への招待されるというファンにはたまらない特典付き。27日発売予定で、価格は1000円。なお、8月31日にはほぼ全曲を作詞作曲したフルアルバム「闇のアルバム・2」のリリースも決定している。(毎日新聞デジタル)

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