1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、F1レーサーを目指す少年の成長を描き、「少年サンデー」(小学館)で連載された山田一喜さんのマンガ「G」です。
ウナギノボリ
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東北のとある自動車工場に生まれた少年・真中真央は5歳にして「(車の)免許を取ったらポルシェに乗る」と夢を語る車好きの子供。初めて目にしたF1のラジコンカーを手に入れた真央は、そのラジコンをきっかけにフォーミュラ・ニッポンで2度の優勝を果たした“日本最速の男”辻芳輝と運命の出会いをする。将来F1レーサーになることを誓う真央に芳輝は「“バケモノ”になれ」と激励。そして13歳となった真央は、レーサー養成学校の入学試験を受け、実力が明らかになる……という物語。
正直なところ、山田先生も担当の私も車に詳しいわけではありません。じゃあ、なぜF1マンガなのか……。それは、この世界に“バケモノ”達が存在するから!!!
時速300kmオーバーでコーナーに突っ込んでいく“バケモノ”の気持ちなど、常人にはわからない……。でもそこにこそ、カリスマ性の源泉があり、少年誌のヒーローたりうるキャラが生まれるのではないか……。それが、山田先生の考えです。
現実のスポーツ界では、時代の流れでしょうか……、“いい人”が増えてきたように思います。レース中はわがままで、自分が1番でないと気がすまない……。傲慢にもみえる主人公・真央に、新鮮な爽快感を覚える読者の方がきっといると信じています。
またこの作品では、複雑な要素が絡み合うため、素人にはわかりづらいレースの勝負のあやを、試験形式にすることで単純化して描いています。誰でも読める王道スポーツコミックになっていると思いますので、ぜひご一読を! 1話目はWEBコミックサイト・クラブサンデーで無料で読めます。
まさに「こんなレースマンガを待っていたんだ」という心境です。情熱にあふれたひとりの若者が驚異的な才能を見せつけ、周囲を圧倒する姿は驚きの連続で爽快感も満点。真央くんにはこのままF1の舞台まで一気に駆け上がってもらって、子供たちの夢であり、あこがれとなるようなレーサーとなってほしいですね。以前と比べてクルマやバイクやレースのマンガは少なくなりましたが、ゆくゆくはこれを読んだ子供たちの中から本当にF1レーサーが誕生するような、そんな未来を期待したいです。
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