96年に米国で公開されたホラー映画「スクリーム」。ウッズボローという米国の田舎町で起きた殺人事件。ヒロインが命を狙われながらも犯人を暴いていく本作は、先の読めない展開と、映画にまつわる小ネタがちりばめられ、映画ファンの心をつかんでヒットした。97年には「2」が、00年には最終章といわれた「3」が公開され、呪われた事件は終結したかに見えた。あれから11年。そのヒットシリーズが「スクリーム4 ネクスト・ジェネレーション」として復活し、全国で公開中だ。1作目からのキャスト、スタッフが勢ぞろいし、また時代の移り変わりを反映させる“次世代(ネクスト・ジェネレーション)”のキャラクターが加わり、新たな恐怖の物語が幕を開ける。前作から10年がたち、ころあいもいいと判断したスタジオから4度目のラブコールをされ、脚本を読んで即決、快諾したというウェス・クレイブン監督に話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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「スクリーム4」は、ウッズボロー連続殺人事件の生き残りシドニーが作家として成功し、著書の宣伝のために故郷に戻るところから始まる。保安官デューイと、彼と結婚した元人気リポーターのゲイルとの再会もそこそこに、2人の女子高校生が惨殺される。魔の手はやがてシドニーのいとこ、ジルにも及び、シドニーの命懸けの“新”犯人捜しが幕を開ける。
4作目の話を聞いたときは、「それほど強いプレッシャーはなかった」と話すクレイブン監督。そのとき浮かんだのは「今の時代に即した新鮮なものを作り出す」という思いだった。シドニー役のネーブ・キャンベルさん、ゲイル役のコートニー・コックスさん、デューイ役のデビッド・アークエットさんは「驚くほど変わっておらず、むしろ、ネーブとコートニーは時間をへてさらに美しくなっていたし、デビッドは少年のような魅力を持ち続けていながら立派な男性になっていた」と彼らとの再会の喜び、おなじみのあのハロウィーンのゴーストマスクとも「古い友人に再会したような気分」を味わった。
クレイブン監督はこの10年間の映画業界を「続編やリメークがとても多く作られた時代」とし、だからこそ「オリジナリティーがあり、現代社会が反映されているような作品が必要だと感じた」と話す。そして、インターネットが威力を発揮した中東の民主化運動「アラブの春」を引き合いに出し、「今の子供たちは携帯電話を使い、瞬時にその場を撮影し、記録することができる。『アラブの春』では、まさにそれが行われた。われわれの物語にもそうした状況を反映させなければいけない」と考え、今作にはフェイスブックやツイッターを登場させた。それによって「(最新技術による)ネットワークが、若者の思考回路や精神にどのような影響を与えているかを伝えている」と語る。
アークエットさんは、あるインタビューで、今作には「『スクリーム』に似た要素がある」一方で、「新しい世代の登場、新しい展開、さらなるテクノロジー、さらなる映画の数々、さらなるメディアが楽しめる」と語っていた。クレイブン監督もこれには同意見のようで、今作を、「全く新しい登場人物の設定をしながら、テクノロジーとモチベーションの二つがうまくミックスされている」と言い切る。そして見どころとして「終盤の第3幕のほとんど」を挙げ、とりわけ「(ジル役の)エマ・ロバーツが自分自身と戦う場面。本編を見れば納得するはずだ」と胸を張る。
クレイブン監督は、これまで「エルム街の悪夢」や「ゾンビ伝説」といったホラー映画を世に出してきた。周囲が自分を「マスター・オブ・ホラー」と呼んでいることに、「不安を感じる」と漏らす。なぜなら「一度頂点に上り詰めると、あとは落ちるだけだからね。それに、ほかにもたくさんの素晴らしいホラー監督はいる。だから僕としては、ホラージャンルにおける出来のいい監督の一人ぐらいの認識でいてもらった方がいい」と、72歳のベテランは謙遜する。そんなクレイブン監督に「最も好きなホラー映画は?」とあえて聞くと、間髪を入れずに「『スクリーム4』さ!」と答えた。
<プロフィル>
1939年米オハイオ州クリーブランド生まれ。72年、「鮮血の美学」で監督デビュー。76年の「サランドラ」をへて、84年に発表した「エルム街の悪夢」が大ヒット。以降“マスター・オブ・ホラー”と呼ばれるように。その後も「ゾンビ伝説」(88年)、「ショッカー」(89年)、「エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア」(94年、ビデオ作品)などを世に送り出す。96年、「スクリーム」がヒットし、「スクリーム2」(97年)、「スクリーム3」(00年)の続編もヒットさせる。最近の作品に「ウェス・クレイヴン’sカースド」(05年)などがある。ホラーだけでなく「ミュージック・オブ・ハート」(99年)やオムニバス映画「パリ、ジュテーム」(06年)といったヒューマン作品も手掛けている。
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