注目映画紹介:「アーサー・クリスマスの冒険」 いまどきのサンタの仰天テクも楽しめる

「アーサー・クリスマスの冒険」の一場面
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「アーサー・クリスマスの冒険」の一場面

 「ウォレスとグルミット」で知られるイギリスの名門アニメスタジオ「アードマン」による劇場版アニメ「アーサー・クリスマスの冒険」が23日から公開されている。クリスマスの風物詩“サンタクロース”にまつわるお話。トナカイが引くソリに乗って、世界中の子供たちにプレゼントを配って歩くサンタさん……は過去の話。ここに登場するサンタは、これまで見たことも聞いたこともない方法で子供たちにプレンゼントを配る。しかも、クリスマスというのは名字で、サンタクロースは職業名だという。そんな「へぇ~」と感心させられるネタの多い今作は、落ちこぼれの次男坊アーサーが、すでに引退した超高齢のおじいサンタと、トナカイとソリというアナログな乗り物で、配り漏れたたった一つのプレゼントを女の子に届けようと大冒険を繰り広げる。

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 なるほど~、いまどきのサンタはこうやってプレゼントを配るのかあ、と感嘆するような仰天テクニック。詳細は控えるが、それはものすごい“ソリ”で、サンタが従える妖精たちの動きも「ミッション:インポッシブル」のイーサン・ハント並みだ。だから“プレゼントを配る妖精たち”にもドキドキさせられるシーンが満載。

 アードマン自慢のクレーアニメではなく、デジタル技術を駆使したアニメーションであることに一抹の寂しさはあるものの、キャラクターはみなチャーミングで、物語は進歩的。そのストーリーを考え、サラ・スミス監督と共同で脚本を書いたのは、ピーター・ベイナムさん。「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」で原案と脚本を担当した人物といえば、その大胆さは察しがつくはずだ。

 今回は、アーサーの声をウエンツ瑛士さんが好演する日本語吹き替え版のみの上映で、それはそれで楽しめるが、ジェームズ・マカヴォイさんやヒュー・ローリーさん、ビル・ナイさんら豪華な“声ぶれ”のオリジナル版も見てみたい気がする。なお、ジャスティン・ビーバーさんが主題歌「サンタが街にやってくる」を歌っている。23日から丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開中。3D版も同時公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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