乙葉しおりの朗読倶楽部:第50回 夏目漱石「吾輩は猫である」第1回 自身をモデルにした名作

「吾輩は猫である」作・夏目漱石(新潮文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん
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「吾輩は猫である」作・夏目漱石(新潮文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん

 美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第50回は夏目漱石の「吾輩は猫である」だ。

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 皆さんこんにちは、乙葉しおりです。

 先日、1周年を迎えたばかりの当コーナー、今回で50回目です!

 これからも100回200回を目指して……と言うと、ちょっと欲張りでしょうか?

 では、えっと……とりあえず60回くらいを目指して頑張ります!(^−^)

 さて、今回は12月15日にお誕生日を迎えた3人の方をご紹介させてください。

 まず1人目は、詩人の谷川俊太郎さん。

 若干18歳で執筆された詩集「二十億光年の孤独」で一躍脚光を浴びましたが、詩人としてだけでなく翻訳や作詞のほか、映画の脚本や絵本作家など多彩に活躍されています。

 2人目は、ポーランド人の言語学者、ルドヴィーコ・ラザーロ・ザメンホフさん。

 実はこの方、宮沢賢治さんも学んだ「エスペラント語」の創始者なんですよ。

 ザメンホフさんは、自分が住む首都ワルシャワで、町の人たちが別々の言語を使う四つのグループに分断されていることを憂慮していました。

 そこで人々の言葉の壁をなくすべく考案した共通言語が、エスペラント語の誕生につながったんだそうです。

 最後に3人目、約2000年前のローマ皇帝、ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスさん。

 「暴君ネロ」として知られ、後世の作家の手によって数多くの物語に登場しています。

 ちなみにネロさんの名前にも含まれている、「カエサルの物はカエサルに」で有名な「カエサル」ですが、「皇帝」という意味なんだそうです。

 私は名字かなにかかなって思ってました……(>_<)

 ではここで朗読倶楽部のお話、前回に引き続き、朗読倶楽部の一日をご紹介していきます。

 練習で声を使った後は、部室でお茶の時間。

 みかえさんが和洋問わずのお茶好きなので、毎回いろいろなお茶を用意してくれるのが毎日楽しみなんです。

 みかえさんも私たちの反応を見るのが楽しいみたいで趣向を凝らしてくれるんですけど、ごくまれにすごい味のお茶が出ることもあったりなかったり……と、大体こんな感じで一日が終わっていく感じでしょうか。

 この他にも以前お話しした合宿や文化祭などでは特別な活動を行っているんですけど、中でも数多く活動しているのは「対面朗読」です。

 私たちの学校図書館に対面朗読室があることは以前お話ししましたが、実は希望者があったときに私たち倶楽部のメンバーが対面朗読を行っているんですよ。

 対面朗読が始まった経緯やエピソードはいろいろあるんですけれど、詳しくはまた別の機会にお話しさせてもらえたらと思っています。

 ……と、いうところで、今回はここまでです。

 次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)

■しおりの本の小道 夏目漱石「吾輩は猫である」第1回

 こんにちは、このコーナーもおかげさまで今回で50回を迎えることができました。

 そこで今回から夏目漱石さんの長編作品「吾輩は猫である」を、数回に分けてご紹介していきたいと思います。

 「吾輩は猫である。名前はまだ無い」

 あまりに有名な書き出しに始まるこのお話は、当時講師をしていた夏目漱石さんの小説デビュー作で、1905年に読みきり作品として俳句雑誌「ホトトギス」に発表されました。

 これが好評だったことから読みきり部分を第1章として、第2章から第11章までを翌1906年まで不定期に連載しています。

 【第1章あらすじ】

 名前のない猫「吾輩」は、生まれて間もなく人間のいたずらによって親兄弟から引き離され、寒さをしのぐために潜り込んだお家も、下女に追い出されては潜り込みの繰り返し。

 そこに現れた家主、英語教師の「珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)」さんの計らいで、ようやく飼ってもらえることになりました。

 「人間ほど我儘(わがまま)な生き物はいない」と主張する「吾輩」は、その理由を体験談を通じて独白します。

 とはいえ、欲を言えばきりがない、何事もほどほどで満足しておくのが一番と結論づけるのでした。

 【第2章あらすじ】

 年が明け、新年になりました。

 最近は「吾輩」もちょっとした有名「猫」になっていて、苦沙弥先生宅には「吾輩」の描かれた年賀状が届きます。

 気になるお隣の三毛猫「三毛子」にも「先生」と呼ばれ、鼻の高い気分を味わう「吾輩」。

 ところが三毛子がかぜを引いてしまい、お隣の飼い主たちが「隣の薄汚い猫に付き合っているせいだ」と言い始めたために、彼女に近づきにくくなってしまったのですが……。

 「苦沙弥先生」と「吾輩」は、夏目漱石さん自身とその飼い猫をモデルにしていると言われ「教師」「胃弱」などいくつかの共通点があり、第2章での絵はがきのエピソードも実際に受け取ったファンレターがもとになっているようです。

 次回は第3章以降をご紹介していきますので、引き続きよろしくお願いします。

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