渡辺謙:辻井伸行の音楽に「すばらしい『はやぶさ』ありがとう」

映画「はやぶさ 遥かなる帰還」の完成披露試写会に登場した辻井伸行さん(左)と渡辺謙さん
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映画「はやぶさ 遥かなる帰還」の完成披露試写会に登場した辻井伸行さん(左)と渡辺謙さん

 映画「はやぶさ 遥かなる帰還」(瀧本智行監督)の完成披露試写会が19日、東京都内であり、俳優の渡辺謙さんや江口洋介さんら出演者、09年に日本人で初めてバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した盲目のピアニスト・辻井伸行さんが登場。映画音楽を担当した辻井さんは撮影現場を訪れたといい、「(渡辺さんと)なにを話せばいいかと緊張したけど、謙虚ですごく腰の低い方で、自分もそういう人にならないといけないと思った」と渡辺さんを大絶賛。一方、渡辺さんは「ありがとうございます」と照れながらも、「辻井くんになによりもお礼を言いたい。すばらしい『はやぶさ』をありがとう」と感謝の言葉を述べていた。

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 映画音楽を全編で担当するのは初めてという辻井さんは、渡辺さんから「監督は相当しぶとく注文つけたと聞いたけど?」と問われると、「男と男の葛藤とか困難、そしてやり遂げた達成のイメージを音楽で表現してほしいと監督さんに言われて。2人でピアノの前でいろいろやったんですけど、監督さんが非常に熱意のある方で……」とエピソードを披露。「しつこかったんでしょう」と声が飛ぶと、辻井さんは「いえいえ。はじめてだったのですごく勉強になりました」と笑顔を見せた。

 「はやぶさ」は、03年5月に宇宙科学研究所(現宇宙航空研究開発機構、JAXA)が打ち上げた小惑星探査機。小惑星イトカワで物質の採取に成功し、10年6月地球に帰還した。はやぶさを題材にした映画は、11年に角川映画配給のドキュメンタリー映画「はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH」(上坂浩光監督)、20世紀フォックス配給で竹内結子さん主演の「はやぶさ/HAYABUSA」(堤幸彦監督)が公開され、今年3月10日に松竹配給で藤原竜也主演の「おかえり、はやぶさ」(本木克英監督)が公開される。

 「はやぶさ 遥かなる帰還」は山根一眞さんの「小惑星探査機 はやぶさの大冒険」(マガジンハウス)が原作で、「はやぶさ」の歴史的偉業を日本から支えたプロジェクトチームの闘いを描く。渡辺さんはプロジェクトマネジャーだったJAXA教授の川口淳一郎さんをモデルにした山口駿一郎役を演じ、そのほか江口さん、吉岡秀隆さん、夏川結衣さん、小澤征悦さん、中村ゆりさん、石橋蓮司さん、藤竜也さんらが出演する。

 江口さんは、「震災後はじめての仕事で、いろいろ思いながら(撮影現場に)足を運んだ。ものすごいあつい意気込みを感じて入っていった。いいチームがあるといいものができるし、いいスタッフがいるといい映画ができると痛感した」としみじみ。渡辺さんは、「JAXAの方々が一生懸命やられたことを、僕たちは一生懸命演じさせていただきました。ひとりでも多くの方にお届けできればと思います」と映画をアピールした。この日の舞台あいさつには、夏川さん、小澤さん、中村さん、藤さん、瀧本監督、JAXA教授の川口さんも登場した。

 映画は2月11日全国ロードショー。(毎日新聞デジタル)

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