注目映画紹介:「グッド・ドクター 禁断のカルテ」 オーリーが少女にわなをしかける研修医に

「グッド・ドクター 禁断のカルテ」の一場面 (C)2010 Tesuco Holdings Limited. All Rights Reserved.
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「グッド・ドクター 禁断のカルテ」の一場面 (C)2010 Tesuco Holdings Limited. All Rights Reserved.

 主演が人気俳優のオーランド・ブルームさんなのに、いい意味でB級感が楽しめる犯罪ミステリー「グッド・ドクター 禁断のカルテ」(ランス・デイリー監督)が21日、公開された。ブルームさん自身が脚本にほれ込み、プロデューサーとして名を連ねた。エリート研修医の欲望をジリジリと緊迫感のある映像で描き出す。ブルームさんがほれ込む少女役は、エルビス・プレスリーの孫、ライリー・キーオさんだ。

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 マーティン・ブレイク(ブルームさん)は内科の研修医。いい医者に思われようとふるまうが、看護師とそりが合わず、焦っていた。そんなある日、18歳の美しい少女ダイアン(キーオさん)が入院してくる。ダイアンから信頼と尊敬のまなざしを向けられたマーティンは、次第に彼女に思いを寄せていく。ダイアンには恋人がいたが、どうしても自分のものにしたいと思い始めるマーティン。退院したダイアンを再入院させようと細工を施し……というストーリー。

 こんな研修医が本当にいたら恐ろしい。ブルームさんといえば、海賊や侯爵といった役で扮装している印象が強いが、今作では七三分けで白衣を着ているだけでも新鮮な上に、こんな恐ろしい研修医の役とは! 顔半分をマスクで隠し、大きな目で少女をジッと見つめる表情は恐ろしさで震えるくらいだが、エリート医師が薬をすり替えるという子どもでも考えつきそうな方法でわなをしかける展開は、ストーリーとしてやや浅いような……。とはいえ、昔のサスペンス映画のような空気感は独特で、実在の病院で撮影されただけあってロッカールームや地下の様子などはリアリティー満点。完全犯罪は成立するのか? 医師というだけで相手を信じてしまう社会の風潮を皮肉ったかのようなラストに身震いする。21日から銀座シネパトス(東京都中央区)ほか全国で順次公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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