注目映画紹介:「ペントハウス」 コメディー界の大御所2人が顔を合わせたシリアス犯罪モノ

「ペントハウス」の一場面 (C)2011 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.
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「ペントハウス」の一場面 (C)2011 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED.

 ベン・スティラーさんとエディ・マーフィさん初共演の「ペントハウス」(ブレット・ラトナー監督)が3日に公開された。ハリウッドコメディー界の大御所2人の顔合わせとあって、コメディー色の強い内容と思う人も多いだろうが、かなりシリアスな犯罪モノだ。ニューヨークの超豪華高級マンション「ザ・タワー」の管理マネジャーをしているジョシュ(スティラーさん)が、ペントハウスの住人で大富豪のアーサー・ショウ(アラン・アルダさん)にだまし取られた財産を取り返そうと、同じ被害者の使用人仲間たちと一世一代の大勝負に出る……というストーリーだ。

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 ジョシュの下に集まる仲間たちが実にユニーク。ケイシー・アフレックさん演じるコンシェルジュはどこか間が抜けてるし、マイケル・ペーニャさん演じるエレベーターボーイはいつも陽気。マシュー・ブロデリックさんは、ザ・タワーを強制退去させられた、“いかにも”なウォール街の負け犬だし、「プレシャス」で一躍脚光を浴びたガボレイ・シディベさんは、ふてぶてしさでは右に出る者がいないメイド役。そしてもう1人、強力な助っ人が、マーフィさん演じる泥棒スライドだ。

 作戦決行の日、背後に流れる音楽は、某アクションスパイ映画に引けをとらない勇ましさ。だが、階段を駆け上がるジョシュたちにすご腕スパイのような軽やかさはない。盗みのテクニックにしても、「オーシャンズ」シリーズのメンバーが見せたような手際のよさはみじんもない。だが彼らには、タワーを隅々まで熟知しているという“武器”がある。彼らの計画が成功するか、失敗するかは映画を見てのお楽しみ。ラトナー監督は、「ラッシュアワー」シリーズ(98~07年)などのアクションから、「レッド・ドラゴン」(02年)といった犯罪サスペンスまで幅広くこなし、大ヒットテレビシリーズ「プリズン・ブレイク」の制作総指揮を務めた人物だ。3日からTOHOシネマズ有楽座(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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