ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
ファンタジー世界や、学園生活を描くことが多いライトノベル。その中で現代のインターネット社会に不可欠な職業・システムエンジニア(SE)を取り上げ、仕事の苦労や達成感を描いた作品がある。夏海公司さん作、Ixyさんイラストの「なれる!SE」(電撃文庫)で、同作は休日出勤や深夜残業は当たり前の“ブラック企業”に勤める新米SEが、仕事を通じて成長するという内容だ。働くのが好きな日本人サラリーマンのメンタリティーをユニークに描いた同書の魅力を探った。(毎日新聞デジタル)
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「なれる!SE」は、新社会人の桜坂工兵が、半分だまされる形で小さなSE会社に入社し、見た目は美少女中学生にしかみえないワーカホリックの上司・室見立華(りっか)にしごかれる場面から始まる。工兵は、仕事に関しては鬼のような上司に反発しながらも睡眠時間を返上してSEの勉強をしたり、さまざまな人たちとぶつかってめげそうになりながらも仕事をこなしていく。やがては大手企業を打ち負かして大型案件を勝ち取ったり、トラブルを奇策で解決するなどしてSEとして力を付けていくが、上司と同じく仕事一辺倒の生活を送るようになる……という物語だ。
作者の夏海公司さんは、作家になる前に約10年、会社員として働き、SEの経験を持つ。同作品構想のきっかけは、デビュー作の完結後、次回作について打ち合わせを重ねて悩んでいたある日、夏海さんがSE時代の愚痴をこぼし、その話を聞いた担当編集者が強く推したのがきっかけだ。10年夏に1巻を発売した後、IT情報雑誌の「週刊アスキー」に短編を連載したところ、インターネットで「ブラック企業で働くSEを題材にした変わったライトノベルがある」と話題になった。累計発行部数は約32万部で、中高生のファンが多いとされるライトノベルでは珍しく、大学生・社会人を中心にファンが多いのが特徴だ。
同作の魅力の一つは、「プロジェクトで工程調整に苦労する」「地方へ出張して現地に着いたら機材が用意されていない」などのトラブルが生々しく描かれていることで、描かれたエピソードの半分は、夏海さんが実際に体験したことだという。あまりの出来に現役のSEが「(自らの体験にあてはまりすぎて)痛々しくて読めない」というほど。SEの苦労について、夏海さんは「SEは2、3年で技術が新しくなって、仕事の経験値がリセットされるんです。だから常に新しいことを勉強しないといけない」と明かす。SEの仕事が多忙なのもそんな理由がある。
一方で「SEは大変」だけでは終わらず、難解な仕事へ打ち込んだことへの満足感・達成感が生き生きと描かれている。「納期も迫ってトラブルも山積みでダメになりそう」という中で、知恵を凝らして仕事を終えた後の解放感は、社会人ならその姿を自らと重ね合わせてしまうほど。夏海さんは、「SE時代に仕事が暇だったとき『幸せか?』といえばそうじゃなかったですね。人間は『社会に貢献できている』という実感が精神的に必要ですからね」と、その理由を説明している。
10日に発売された最新刊でも、工兵が仕事で大変な目に遭うエピソードが満載。力を付けていくに比例して仕事も増えていく工兵だが「ブラック企業? それの何が悪いんですか、正社員ですよ、はっはー」という有り様。仕事ばかりではなく、可愛い上司や同僚女性といい雰囲気になることもあるが、巻を追うごとに仕事の面白さを知り、責任感を持ち、打ち込んでいく。
「暇になるぐらいなら忙しい方を選ぶ」という日本人の考えをあてている同作。仕事の厳しさと楽しさ、そのこっけいぶりが共に学べるだけに、就職活動の学生にも読んでほしい作品だ。
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