真山仁:「一番映像化してほしかった」作品 連続ドラマW「マグマ」トークショー

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 女優の尾野真千子さんが主演を務めるWOWOWの連続ドラマW「マグマ」の放送を記念して1日、東京都内で原作者・真山仁さんのトークショーが行われた。小説「ハゲタカ」をはじめ数々の著書の中でも、「マグマ」は、「一番映像化してほしかった」という真山さんは「地熱発電を知らない方が多い中、知ってもらうことがこの小説の使命だと思った。映像なら圧倒的な数の人に知ってもらえる」と喜び、日本のエネルギー問題について、雑誌「日経エコロジー」の谷口徹也編集長を相手に、白熱したトークで会場を盛り上げた。

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 ドラマは、東日本大震災以降、注目されている自然エネルギーの中でも、安全性が高く二酸化炭素の排出も少ない「地熱発電」を題材にしたストーリー。外資系ファンドに勤める妙子(尾野さん)は、社長の待田(津田寛治さん)に、買収したばかりの企業の再建を任される。そこは地熱エネルギーを供給・開発している小さな会社で、収益性を確保して企業を立て直すという信念で突き進むが、やがて社員らの思いと地熱発電の可能性を知り、自分の果たす役割を見つめ直すようになる……という社会派ヒューマンドラマ。

 尾野さんのほか、俳優の谷原章介さん、長塚京三さん、石黒賢さん、大杉漣さんらが出演し、地熱発電に情熱を傾ける人々の夢と闘い、その権益を狙うファンド社長や政治家らのスリリングな人間模様を描いていく。キャスティングについて、真山さんは「今回のキャスティングを見たとき、日ごろの行いがよかったのか、自分のイメージに近い人がそろったと思った。すごく(自分の)気持ちをくんでくださったのかなと思っています」と満足げで、特に尾野さんについては「演技に入ってるときの目がすごい。目は口ほどに物をいう、彼女の目の変化が感情を語る。見てるだけで頑張れ! と思ってしまう目力が印象的です」と絶賛した。

 地熱発電について、小説を書くまでは知らなかったという真山さんだが「エネルギーについて書きたくて、最初は石油を書きたいと思っていた。たまたま友人に『地熱発電がいじめられているみたい』と聞いて、関係者を紹介してもらった」と興味を持ったきっかけを明かし、「暗い話だから、小説にはならない。何度も『おやめなさい』といわれたが、日本にはエネルギーがないと思っていたが、地熱があった。でも誰も知らなかった。まずはスクープだと思ったんです。後はいかに注目を集めるか。『おやめなさい』といわれると燃えるたちなんです」と熱く語った。

 真山さんは「地球の温暖化で『火力発電をやめよう』といって、原子力発電をやっていた。今は火力を推進してるけれど、温暖化はいいんですか?」と今の日本のエネルギー問題に触れ、「本当に原発の代わりになるものを考えないと、と思ったら地熱。なりふり構わずエネルギーは全部いるけれど、安定しない太陽光や水力、風力には頼れない。日本は追い詰められたときに知恵を出すんです」と地熱発電の可能性を訴えた。

 社会派ドラマに位置づけられる「マグマ」について、真山さんは「ワクワク、ドキドキ見るけれど、最後に考えて行動できたらいいなと思えるのが社会派ドラマ。私が小説でやりたいと思ったことを、今回のドラマには反映されている」といい、「面白いのが大前提だが、何かもう一つ、自分が生きている中でプラスになるものが刻まれている」と熱を込めてアピールした。ドラマはWOWOWで10日スタート。毎週日曜午後10時に放送。全5話、第1話は無料放送となる。(毎日新聞デジタル)

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