橋田壽賀子:初の自叙伝的ドラマ「妻が夫をおくるとき」放送決定

橋田壽賀子さんの自叙伝的スペシャルドラマ「妻が夫をおくるとき」の一場面=TBS提供
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橋田壽賀子さんの自叙伝的スペシャルドラマ「妻が夫をおくるとき」の一場面=TBS提供

 脚本家の橋田壽賀子さんが自身の体験を脚本にしたスペシャルドラマ「妻が夫をおくるとき」がTBSで放送されることが11日、明らかになった。初の自叙伝的なドラマで、89年に亡くなった橋田さんの夫で同局のプロデューサーだった岩崎嘉一さんとの別れをつづった物語。登場人物も実名で登場する。

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 ドラマは、岩崎さんが59歳、橋田さんが63歳。84年に同局を退職した岩崎さんは大病を患ったが克服して、第二の人生を踏み出そうとしており、橋田さんはNHKの大河ドラマ「春日の局」の脚本に取り組みだしたばかりのころの秋の出来事。夫の岩崎は夢だった畑作りをしながら好きな仕事をやるために会社を興し、東京と熱海での暮らしを始めたが胸の痛みを訴えた。病院での検査の結果、手術できないがんで持ってあと半年、という残酷な宣告だった。病気と闘えず、延命しかないと知った私は、岩崎に告知せず隠し通すことを選択した。落ち込むことも、泣くことも、仕事を降板して付き添うことも許されない、今までと変わりない日常を演じることになった私だが、夫の病状の変化が、私を次第に追い込んでいく……というストーリー。

 主演は、「私」こと妻の橋田壽賀子役を岸本加世子さん、夫の岩崎嘉一役を大杉漣さん、同局の長寿ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」でもタッグを組んだ石井ふく子プロデューサー役を薬師丸ひろ子さんが演じるほか、中村梅雀さん、小泉孝太郎さん、神田正輝さん、泉ピン子さんという主役級の俳優陣が名を連ねている。

 大杉さんは「いろんなことがあった中でも、それでもお二人は“夫婦”だったという、僕自身も学ぶことがすごく多かった」と語り、「深いところで結ばれている“夫婦の姿”を、みなさんに味わっていただければうれしい」とコメント。岸本さんは「まさか自分が橋田先生役を演じるなんて」と驚きながらも、「橋田先生に対して岩崎さんは『愛している』とか、優しい言葉は一切言わないんですけど、それでも岩崎さんの深い愛情がものすごく伝わってくる。本当に心の底からすてきなご夫婦だと思っていただけるドラマになっています」と自信を見せた。

 橋田さんは「主人はTBSに青春をささげたような人ですから、そのTBSでこのような番組を作ることができるなんて、ものすごく喜んでいると思います」と喜び、「夫婦は一緒には死ねないですからね。残った方は、亡くなった方のためにも一生懸命生きなければならないと思います。そんなメッセージを、この作品から感じていただけたら」とドラマにかける思いを語っている。スペシャルドラマは7月23日午後9時から約2時間15分の拡大版で放送。(毎日新聞デジタル)

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