サッカー欧州選手権:準決勝「ポルトガル対スペイン」を野口幸司が展望 「リーガの面白さが凝縮」

写真:Maurizio Borsari/アフロ
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写真:Maurizio Borsari/アフロ

 熱戦が繰り広げられている欧州のサッカー王者を決める大会「サッカー欧州選手権(UEFA EURO 2012)」。27日深夜3時半(日本時間)に行われる決勝トーナメント準決勝第1試合「ポルトガル対スペイン戦」を前に、WOWOW番組解説者の野口幸司さんに見どころを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 前回大会王者であり、ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の王者でもある優勝候補の大本命・スペインと、“死のグループ”B組を勝ち抜いてきたポルトガルの対戦となった準決勝第1試合。野口さんは「見たいのは、3対1ぐらいでスペインが勝つゲームだよね。組織としてはスペインのほうが上だから、ポルトガルはどうしても守備的にゲームに入るしかない」と分析。「ただ、ポルトガルにはクリスティアーノ・ロナウド選手という強力な武器がある。彼個人としては今大会では別格ともいっていい、最もハイパフォーマンスを見せている選手だと断言していいと思う」と高く評価した。

 その上で、ロナウド選手の起用について、「あくまで例えばだけど、1トップで使うというのも一つの手だろう。それくらいの大胆なことをしないとスペインのリズムを崩せないかもしれない。いずれにしても、ボールを奪ったときにジョアン・モウティーニョ選手、ファビオ・コエントラン選手、ラウル・メイレレス選手らオフェンス(攻撃)に参加する選手が、押し上げる時間をチームとしていかに作るか、それが大きな課題となってくるだろう」と話す。

 また野口さんは、ロナウド選手がこれまでと同じように左サイド中心でプレーすることになれば、「レアル・マドリード」でチームメートのアルバロ・アルベロア選手とのマッチアップが注目と語る。「アルベロア選手は派手さはないけれど、ものすごいベースのしっかりしたディフェンダーだし、ロナウド選手のことをよく知っている。どういうふうにストップするのか。逆にそれでもロナウド選手が力の差を見せつけて突破するのか。どちらが左サイドを制圧するかもカギになってくる。いずれにしても、まずはロナウド選手が、カウンターでもロングシュートでもセットプレーでもなんでもいい、とにかく先制して、スペインがギアを上げる。前半はそんな感じの展開であれば面白くなってくるんじゃないかな」と展望した。

 一方、スペインについて野口さんは、「(純粋なFWを配置しない)ゼロトップを敷いてくるかはちょっと読めないけど、初戦から順を追って見ていくと、チームとしての完成度は徐々に高くなっているのは確か。ボールを失わずに回す技術は相変わらず世界最高峰という事実は間違いない。そこにアンドレス・イニエスタ選手やダビド・シルバ選手ら高い位置取りをしている選手の、もっと裏に飛び出していくゴールに直結した動きがプラスされたら、どのチームも対応できないと思う」とコメント。

 また、「ビセンテ・デル・ボスケ監督はこれだけの実績を残したスペインを率いているわけだから、以前のまま優勝するのではなく、自分の指揮した戦術でトーナメントを上がっていきたいという欲があるだろう。セスク・ファブレガス選手とシャビ選手、セルヒオ・ブスケツ選手、シャビ・アロンソ選手あたりでパスを重ねて、相手をある程度、中央に絞らせているうちに前述のようにサイドからイニエスタ選手やシルバ選手が裏に抜ける。それを完成形だと考えているんじゃないかな。ただ、その狙いはスペインリーグ『リーガ・エスパニョーラ』でプレーしていて、『バルセロナ』中心のスペインをよく知ったペペ選手をはじめ、ポルトガルは十分に分かっている。彼らディフェンス陣がどこまで強固なブロックを作ってスペインの進入を阻めるのか。ある意味ではリーガの面白さが凝縮されたゲームともいえるだろうね」と期待を込めた。

 「サッカー欧州選手権」は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催し、1960年から4年に1度、欧州各国の代表チームによって争われる大会。16チームが4組に分かれてグループリーグを戦い、各グループ上位2チーム、合計8チームが決勝トーナメントに進出する。今大会はポーランドとウクライナの共同開催で8日に開幕。WOWOWでは、7月1日の決勝まで全31試合をハイビジョンで生中継している。

 野口さんも注目する準決勝第1試合「ポルトガル対スペイン」は、27日深夜3時半からWOWOWプライムで生中継する。(毎日新聞デジタル)

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