ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第77回は逢空万太「這いよれ!ニャル子さん」だ。
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皆さんこんにちは、乙葉しおりです。
先週7月7日は七夕でしたが、皆さんお住まいの地域では天の川は見えましたか?
私はというと、あいにくの雨模様で見ることができませんでした(>_<)
「七夕」と書いて「たなばた」と読むのは、以前ご紹介した古事記にも記されている「棚機津女(たなはたつめ)」が由来とされています。
「棚機津女」は機織(はたおり)機を使う女性のこと……と言えば、「織り姫と彦星」の「織り姫」を連想しますよね。
七夕は織り姫と彦星の2人が年に1度の逢瀬を許される日としても有名ですが、どうしてこの2人は年に一度しか会うことができないのでしょうか?
天の神様「天帝」のひとり娘、「織女(しょくじょ=織姫)」は、神々の着物に使う布を織る仕事をしていましたが、仕事熱心ゆえに遊びも知らず、恋人もいない日々を送っていました。
これをふびんに思った天帝は、まじめな牛飼いの青年「牽牛(けんぎゅう=彦星)」を娘に紹介し、やがて2人は結婚したのです。
しかし、2人はお互いに夢中になりすぎたあまり、それぞれの仕事も忘れて遊んでばかりの生活になってしまいました。
これに怒った天帝は2人を天の川の対岸に引き離し、年に1度だけ会うことを許したということです。
ちなみに、
・天の川を渡るのは船なのか橋なのか?
・織り姫が彦星に会いに行くのか? 彦星が織り姫に会いに行くのか?
など、言い伝えは地域によって違いがあるようなので、いろいろ調べてみると面白いかもしれませんよ。
ではここで、朗読倶楽部のお話……最後の大会前のお話、第5回です。
先生が提案された「実践的な練習」……その内容は、「他校との交流試合」をすることでした。
大会と同じように試合をすれば練習にはない緊張感が生まれ、他校の生徒さんの朗読を見て刺激も受けられる。
運動系の部活動であればそれほど珍しくはない「交流戦」ですが、私たち朗読倶楽部では初めてのことになります。
そもそも、正式な部活動と認められていない朗読倶楽部が交流戦をしてしまっていいのか、という疑問がありましたが、先生いわく「問題ない」とのこと。
そうなれば早速どこかの学校に交流戦をお願いしたいところなのですが、今まで朗読館や大会出場など校外でも活動はしているものの、他校に行ったことはない私たちにつては全くと言っていいほどありません。
「もちろん交流先のアテはあるんでしょ?」
と、部長さんが水を向けたのですが、先生の返事は意外なものでした。
いわく、「ない」と。私たちはあっけにとられてしまいました。
そして、怒りだした部長さんを制して先生はさらに意外な言葉を続けたのです。
「でも、お前たちにはあるだろう? 心当たりが」
……と、いうところで、今回はここまでです。
次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)
■しおりの本の小道 逢空万太「這いよれ!ニャル子さん」
こんにちは、今回ご紹介する一冊は、逢空万太(あいそら・まんた)さんのラヴ(クラフト)コメディー「這いよれ!ニャル子さん」です。
「ラヴ」と「コメディー」の間に(クラフト)が入っているのは、このお話の登場人物(宇宙人)が、以前ご紹介したハワード・フィリップス・ラヴクラフトさんの「クトゥルフ神話」をモチーフとしているからなんです。
宇宙的恐怖をテーマとした物語・クトゥルフ神話に登場する神々は、名前は同じでも詳しい設定は執筆する作家さんの裁量に委ねられる……という点が大きな特徴ですが、邪神を女の子にした上コメディーに仕上げてしまったお話は、クトゥルフ神話の系譜とその影響を受けた作品群の中でもなかなか例がないのではないでしょうか?
八坂真尋(やさか・まひろ)さんはごく普通の高校生。
ある日の深夜にコンビニで買い物をした帰り道のこと、突然えたいの知れない影に追い回されてしまいます。
その正体は、かろうじて人の形をしているものの、とても地球上の生き物とは思えない、クトゥルフ神話風に言うところの「名状しがたい」怪物でした。
袋小路に追い込まれ絶体絶命のピンチになった真尋さんが助けを求めたそのとき、声に応えるようにもう一つの影が現れ、怪物をいとも簡単に倒してしまいました。
怪物よりもはるかに小さいもうひとつの影の正体は、真尋さんと同じくらいの年頃の女の子。
「こんばんは。いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、ニャルラトホテプです」
明るい声で「クトゥルフ神話」における「無貌の神」だと自己紹介した彼女は、宇宙からやってきた宇宙人であること、そして真尋さんがある宇宙人の組織に狙われており、自分がその護衛としてやってきたことを告げるのでした。
かくして、真尋さんの「普通の生活」は終わりを告げてしまったのです……。
※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。
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