注目映画紹介:「おおかみこどもの雨と雪」人生の普遍的な物事をファンタジックにアニメで描いた

「おおかみこどもの雨と雪」の一場面 (C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
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「おおかみこどもの雨と雪」の一場面 (C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

 06年の「時をかける少女」と09年の「サマーウォーズ」が高く評価された細田守監督が、原作、脚本、監督を務めた最新劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」が21日、公開される。前2作同様、奥寺佐渡子さんが脚本を担当した。人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”と恋に落ちた人間の花。やがて2人の間に“雪”と“雨”という2人の子供が生まれるが、4人の幸せな生活は、おおかみおとこの死によって崩れ去る。花は、子供たちが幸せに生きられるよう自然に囲まれた田舎への移住を決断する…という展開。花の声は宮崎あおいさん。おおかみおとこを大沢たかおさん、花たちが田舎暮らしを始めてからの“ご近所さん”でカタブツじいさんの韮崎を菅原文太さんが担当している。

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 おおかみおとこと人間の娘の恋物語とはいかにもおとぎ話。だがそこに描かれていることは、私たちが普段感じ、思い、考えることとなんら変わらない。人を愛し、結ばれ、子供が生まれ、その子供をどう守り、どう教育するか。どうやって他人との関係を築いていくか。また、子供はどうやって親離れしていくか。そうした人生における普遍的な物事を、たまたまファンタジックなシチュエーションにして、アニメーションという手法で描いているに過ぎない。細田監督自身、「実写映画ではなかなか実現しづらい企画」「アニメーションだからこそ、(子供が)生まれたときからの13年間を描けると思う」と話している。

 今作ではまた、本来アニメーションでは動かせないとされる背景の美術の木や花などの自然物に、高度なコンピューターグラフィックス(CG)技術で動きを与えているという。そのせいなのだろう、都会の街並みや雪山の景色、雨のしずくがかかってキラキラ光るクモの巣など、ときどき実写と見まごう映像に出くわす。その豊かな映像の表現力に何度も目を見張った。21日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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