女優の伊藤歩さんと俳優の青柳翔さんがダブル主演する島根・隠岐諸島を舞台にした映画「渾身 KON−SHIN」(錦織良成監督)が、第36回モントリオール世界映画祭のフォーカス・オン・ワールドシネマ長編映画部門に出品されることが30日、明らかになった。
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映画は、川上健一さんの小説「渾身」が原作で、隠岐諸島で慶事があった時だけ、夜を徹して行われる「隠岐古典相撲」に挑む父と、その家族の絆を描いた作品。坂本多美子(伊藤さん)は夫の英明(青柳さん)と、病死した先妻の娘・琴世とともに隠岐諸島で暮らしていた。しかし、琴世はまだ多美子のことを「お母さん」とは呼んでくれない。そんなある日、20年に1度の隠岐諸島一番の古典大相撲が開かれることに。英明は一生に一度しかチャンスが訪れない最高位の正三役大関に選ばれた。地区の名誉を懸け、土俵に上がる英明。そして、家族が見守る中、息詰まる熱戦の火ぶたが切って落とされた……という物語。
今回の出品に対し、伊藤さんは「日本はもちろん、これをきっかけに海外のより多くの方々にこの映画を見ていただける。日本の美しき文化が海外に響き渡ったらうれしいと思いました」と喜びを語り、「隠岐諸島は、古き良き日本の文化や風習、人々のかかわりが色濃く残っている美しい島。皆さんにこの映画を見て、大きな深呼吸をしてもらえたらうれしい。新しい風が多くの方々の心に吹き通ることを願っています」とコメントしている。
また、青柳さんは「感謝の気持ちでいっぱいです。自然がきれいな隠岐諸島。スタッフやキャスト、そして島の皆さんが愛した作品を世界中の人たちに見てもらえてうれしい」と語り、メガホンを取った錦織監督は「日本人として日本を誇りに思えるような映画をとの強い思いで製作しました。ひと足早く海外の皆さんに見ていただける機会を得て、とても喜んでいます。日本の心が伝わるとうれしいですね」と喜びのコメントを寄せている。
「渾身 KON−SHIN」は、13年1月5日から島根・山陰地区で先行公開。全国公開は同年1月12日からとなる。(毎日新聞デジタル)
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