世界各地の大空を飛ぶ“鳥の視線”で大自然のスペクタクルをとらえたドキュメンタリー番組「アースフライト 大空の冒険者たち」シリーズが25日からWOWOWで放送される。これまでに木の幹や岩に見せかけたリモコンカメラを用いるなど、画期的な撮影方法を次々と編み出してきた同シリーズのプロデューサー、ジョン・ダウナーさんに撮影方法や番組の見どころなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)
ウナギノボリ
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「アースフライト」シリーズは、WOWOWで放送されるネーチャードキュメンタリー番組「BBC EARTH 2012」のスペシャル番組。ハイビジョンカメラや小型カメラなどの最新技術と、鳥の群れと並行飛行したり、小型カメラを鳥に装着したりといった工夫で、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界40カ国以上で、“鳥たちの世界”を撮影した。
ダウナーさんは20年以上前に、実験的な撮影方法を次々と試した鳥の飛行についての作品を制作した。「準備期間も含め4年の歳月がかかった」という「アースフライト」は、当時試した撮影方法をもとに、新たな撮影方法に挑戦している。その一つが鳥の刷り込み現象を利用した方法だ。鳥をふ化から育て、撮影者となる飛行機のパイロットを母と思い込ませることで、超小型飛行機で鳥と一緒に飛ぶことに成功している。
撮影を「卵から育てたとはいえ野生の鳥だし『もう戻ってこないかな』と思った鳥もいたけれど戻ってきてくれて、結局撮影でいなくなった鳥はいなかったんだ」と振り返ったダウナーさん。もっとも気に入っているシーンを「ベネチアはとても美しい場所ですが、私たち人間がよく知っている街も鳥の視線から見るとまるで違って見える」と、ベネチアの上空を飛ぶシーンを挙げた。
撮影方法のアイデアは「動物たちが教えてくれる」という。ライオンを撮影した際を振り返って、「ラジコンのおもちゃのトラックにカメラを載せてみたらライオンが巣の中に持って行ってくれた。そして驚いたことにライオンはそのカメラを元にあった場所に戻してくれたんです」と明かし、この時の経験から、カメラを改良し、岩の中にカメラを仕込んでラジコンで動かす「ボールダーカム」などを開発したといい、「動物たちはガイドのような存在。私たちを導いてくれるんです」と話した。
またネーチャードキュメンタリーを撮り続ける理由を「撮影では常に新しいことを学ぼうとしてきたし、動物には常に発見がある。技術も常に進化しているから数年前には撮影が不可能だったことでも今は可能になっていたりして、そのたびに新しい何かが見えてくるというように終わりがないんです」という。最後に「日本が舞台なら何を撮りたい?」と尋ねると、「温泉に入るサルたちを撮ってみたいな。多分撮ることになるのではないでしょうか」と笑顔を見せた。
番組は、撮影の裏側を記録したドキュメンタリーも合わせ、25日から毎週土曜午後9時に放送。初回のみ午後8時45分から放送される。全6回。(毎日新聞デジタル)
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