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バイオハザード5:リトリビューション:アンダーソン監督に聞く「美嘉はミラの次にタフだった」

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映画「バイオハザード5」のPRのために来日したポール・W・S・アンダーソン監督

 日本製のゲームから着想したバトルアクション映画「バイオハザード」シリーズの第5弾「バイオハザード5:リトリビューション」が14日に封切られる。巨大企業アンブレラ社が開発したT−ウイルスによって人類が滅亡しかけ、ヒロイン・アリスの死闘は相変わらず続く。今回、その戦いの場は東京、ニューヨーク、モスクワへと広がる。また、キャラクターも1作目で命を落とした女性特殊部隊員レインや2作目に登場した元女性警官ジルをはじめ、前作に登場した元NBAプレーヤーのルーサー、悪玉ウェスカー、さらにゲーム版の人気キャラクター、女スパイのエイダや、レオン、バリーといった戦闘員が初登場し物語を盛り上げる。作品のPRのために、妻でアリス役のミラ・ジョボビッチさんと来日したポール・W・S・アンダーソン監督に話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 インタビュールームに入ってきたアンダーソン監督の両手の爪には、色とりどりのマニキュアが塗られていた。なんでも、一緒に来日した4歳の娘さんが塗ってくれたのだとか。

 −−娘さん、可愛い盛りですね。

 そうなんだ。ある日はレモネード売りと化し、1ドル払わないと家に入れてもらえなかった。その翌日にはネイルサロンがオープン。僕がお客第1号だったんだよ(笑い)。

 −−もっと聞いていたいのですが、ひとまずお話を映画に戻して……(笑い)、前作は生きるしかばね=アンデッドとのバトルシーンが少なくて物足りなかったんですが、今回は結構ありましたね。

 確かに前作は“要塞(ようさい)もの”といってもいい作りで、アンデッドとのバトルシーンは少なかった。だから今回はゲーム一番の敵であるアンデッドをフィーチャーしたいと思ったし、僕らは“郊外のアリス”と呼んでいるんだけど、冒頭の、戦うスキルのないアリスを登場させることで、アンデッドの恐ろしさがより引き立ち、観客も共感できると考えたんだ。

 −−アリスが“奥さん”をやっていたのにはびっくりしました。

 このシリーズも5作目だからね。同じことを繰り返していると、シリーズの“死”につながりかねない。だからフレッシュなものを作らなければというプレッシャーはいつも感じている。前作の最後は巨大タンカーの甲板で、アリスたちがアンブレラ社の空挺(くうてい)部隊の猛攻に遭うところで終わった。まずはその戦いに決着をつけないといけない。今回は、アリスが水に浮かんでいるところから始まるけど、それをリバース(逆回転)させてその戦いを全部見せて、早回しで“郊外のアリス”のシーンに移っていく。この始まり方が、観客には新鮮に映ればいいんだけど……。それに、今回のテーマは「アリスの死と再生」。冒頭のシーンがそれを象徴していて、闇の中から光の中に彼女の姿が移動していく。このイメージが、映画の中で何度も登場するんだ。

 −−安心してください。冒頭のリバース映像には引き込まれました。

 それを聞いてホッとしたよ(笑い)。前作の美嘉(中島美嘉さん)が渋谷で感染するオープニングは「いままで見た映画の中で最高のオープニング」と絶賛されていたから、それ以上のものを作らないととプレッシャーだったんだ。

 −−ただ、前作登場していたクリスとクレアのレッドフィールド兄妹が出てこなかったのは残念でした。

 僕も、レッドフィールド兄妹は好きなキャラクターなんだけど、今回はゲーム版のレオン(ヨハン・アーブさん)とエイダ(リー・ビンビンさん)のファンが登場を待ち望んでいたので、それに応えることを優先させた。僕には、レイン役のミシェル・ロドリゲスをはじめ、これまで映画に登場したキャラを復活させる構想があったから、登場人物がちょっと多くなり過ぎた。だからもし、今作の成績次第で次の「6」が作れるなら、そこでこの兄妹には登場してもらいたいと思う。「2」で活躍したジル(シエンナ・ギロリーさん)だって、「3」では姿を見せず、「4」でサプライズ的な登場をし、今回また活躍する。そういうパターンは、「バイオハザード」の世界では全然ありだからね(笑い)。

 −−ミラ・ジョボビッチさんのアクションはさらに磨きがかかってましたが、危険を伴うアクションは、夫としては心配ではありませんでしたか。

 ミラに限らず、どの俳優もアクションシーンには危険がつきものだから、監督としてはストレスを感じている。特にミラは僕の妻だから心配だ。彼女はいつもあざだらけになっているよ。今回もジルとのバトルシーンで、ジルの武器が手に当たってゴルフボールみたいにはれちゃったんだ。彼女は続けるといったけど、とてもじゃないけど続けられなかった。そういうことが現場ではあるわけで、撮影が終わるとホッとするよ。でも、それは彼女らしさであり、僕も変えようとは思っていないんだけど、僕らは映画に全身全霊をささげている。彼女は「バイオハザード」の世界が大好きだし、ファンも大切にしているし、アクションは本人がやったほうが作品がレベルがアップすることが分かっているから、できるだけ自分でやろうとする。だからファンも喜んでくれていると思うし、僕も彼女のスロモーションのアクションシーンが大好きなんだ。

 −−ミラさんとバトルを繰り広げた中島さんのアクションはいかがでしたか。

 ミラは、今まで会った俳優の中で最もタフで、作品に全身全霊をささげる役者だけど、その次に来るほど美嘉はすごい人だ。雨の渋谷のシーンを(海外のセットで)撮ったときは、深夜で本当に寒くて、彼女の歯がカチカチ鳴っていたのがマイク越しに聞こえていた。でも「アクション!」の声がかかると、まるで何もなかったように彼女は演じたんだ。白い廊下でのファイトシーンも素晴らしくて、壁にぶつかったり、まっさかさまに落ちたりと、すべて彼女自身がやっていた。彼女のタフさにはミラも僕も感心したよ。あと、日本のスタントチームにも参加してもらったけど、中国、ドイツ、英国、米国、どの国のスタントチームよりもタフで驚かされたよ。

 −−最後にメッセージを。

 この「バイオハザード5」は、僕のこれまでの監督人生において、ここまでのスケールで描けたものはないというぐらい壮大で、恐ろしく、アクションがふんだんに盛り込まれた映画です。ぜひ堪能してください!

 <プロフィル>

 1965年、英国生まれ。94年、「ショッピング」で映画監督デビュー。ハリウッドに招かれ監督した「モータル・コンバット」(95年)の成功でゲームソフトの映画化の才能を認められた。02年、自身の脚本と製作で「バイオハザード」を監督し、その名が日本でも知られるように。04年「バイオハザード2:アポカリプス」と07年、「バイオハザード3」では製作と脚本を担当、10年、「バイオハザード4 アフターライフ」で再び監督を務める。他の主な作品に「ソルジャー」(98年)、「エイリアンVS.プレデター」(04年)、「デス・レース」(08年)、「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(11年)がある。「DOA/デッド・オア・アライブ」(06年)、「パンドラム」(09年)などのプロデュース作品もある。

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