「ロード・オブ・ザ・リング」3部作公開からかれこれ10年。同じ原作者J.R.R.トールキンの小説「ホビットの冒険」を、再びピーター・ジャクソン監督が映像化した「ホビット 思いがけない冒険」が14日に封切られた。
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舞台は「ロード・オブ・ザ・リング」の60年前にさかのぼる。ホビットの村で平和に暮らしていたビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマンさん)は、魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケランさん)に誘われ、ある冒険に加わることに……。それは、凶暴なドラゴンに奪われたドワーフ族の王国を取り戻すというものだった。頭領のトーリン・オーケンシールド(リチャード・アーミティッジさん)はじめ13人のドワーフたちとガンダルフとともに出発したビルボは、やがて自分が中つ国の命運を握る金の指輪を手にすることになるとは、そのときはまだ知るよしもなかった……という展開だ。
「ロード・オブ・ザ・リング」の60年前の話ながら、描かれたのはその公開から10年後。ということで私たちは、ビルボのその後、魔法使いサルマン(クリストファー・リーさん)のその後、エルフたちとホビットたちのその後の関係などをすでに知っている。また、ビルボが暮らす家は、60年後のそれより小ぎれいではあるけれど見慣れたもので、60年という歳月の間にあったことを想像し、感傷的な思いがよぎるなど、“後日”を知るからこその楽しみが、今作にはある。
今回は旅の序章。ゴラム(アンディ・サーキスさん)と運命的な出会いをしたビルボが本格的な戦いに身を投じていくのは、来年以降に公開される第2部「ホビット スマウグの荒らし場」(13年12月13日公開予定)と第3部「ホビット ゆきて帰りし物語」(14年7月18日公開予定)でのこと。とはいえ、今作にもビルボたちがトロルに急襲されたり、ワーグ(魔狼)に乗ったオークに追いかけられたりといった場面があり、今後どのようなハラハラ、ドキドキ、ワクワクのストーリーが待ち受けているのか楽しみだ。14日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。3Dも同時公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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