綾瀬はるか:大河主演「全力で」 役作りで筋トレも

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 6日から放送を開始するNHK大河ドラマ「八重の桜」は、戊辰(ぼしん)戦争で“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、後に同志社大学を創設した新島襄の妻となる新島八重(1845~1932)の生涯を描いた作品で、主人公・八重を演じる綾瀬はるかさんが、役に対する思いや、大河ドラマの主演という大役に挑む心境などを語った。(毎日新聞デジタル)

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 綾瀬さん演じる八重は、会津藩の砲術師範・山本権八、佐久夫妻の子として生まれ、会津戦争時には断髪、男装し、最新銃・スペンサー銃を手に奮闘。戦後、京都で新島襄と運命的な出会いを果たし、結婚する。女性が男性に従うことが当然とされた時代、豪放で周囲からは勝手気ままに見える生き方に、世間から「天下の悪妻」といわれるも、日清、日露戦争では、「篤志看護婦」として傷病兵の救護に奔走した。

 八重の魅力について「まっすぐで男勝りの部分がありつつ、愛情深くて朗らかな女性らしい心の強さを持つ女性。他人がなんといっても、自分が思うところを突きつめて、貫き通すところがすてき」と説明する綾瀬さん。八重を演じるにあたって、インターネットや書籍で事前に調べたり、白虎隊の学舎だった「日新館」(福島県会津若松市)などのゆかりの地に訪れ、役の準備をしてきたという。ただ、撮影で使うスペンサー銃の重さには苦労したようで、「少し持ってるだけで手がぷるぷるしちゃって。でも腕立て伏せして鍛えていくうちに、いい感じになってきました(笑い)」と“筋トレ”して撮影に臨んだことを明かした。

 また八重の印象について、「しゃべらない人なのかなって、無表情なイメージがあったんですが、それは“写真”だからだったんですけど(笑い)」と冗談を交えつつ、「実際、(関連の)本や脚本を読んでいく中で、思っていた以上に愛情深くて、明るくて、八重がいると大丈夫と思わせてくれる、そういう女性だと改めて感じてます」と演じる人物への思いを語った。

 今回の大河ドラマでは、八重役の綾瀬さんのほか、八重の兄・山本覚馬(かくま)を西島秀俊さん、八重の最初の夫・川崎尚之助(しょうのすけ)を長谷川博己さん、八重の幼なじみで会津の若き知将・山川大蔵(おおくら)を玉山鉄二さん、会津藩主・松平容保を綾野剛さんが演じる。さらに、新島襄をオダギリジョーさんが演じるほか、吉川晃司さん、反町隆史さん、西田敏行さん、Dragon Ashの降谷建志さん、黒木メイサさん、剛力彩芽さん、貫地谷しほりさんらも出演する。

 兄・覚馬という人物を、綾瀬さんは「八重のあこがれの存在。常に自分の先には覚馬がいて、それを目標にして、同じように生きていきたいと思っていたんじゃないかな」と分析。覚馬を演じる西島さんの印象については、「すごく明るくていつも笑っている方。とても親しみやすく、現場でも仲よくさせてもらってます」と明かした。また、後に“悪妻”といわれた襄との夫婦関係については、「八重は『ジョー』って呼び捨てしたり、襄が米国帰りの人だったというのもあると思うので、当時では考えられなかった“レディーファースト”という考えを柔軟にとらえられる人だったと思う。そういう襄との関係も周りから見れば“悪妻”と映ったんじゃないかな」と語った。

 初回のタイトルは「ならぬことはならぬ」。これは会津藩で教えられていた“什の掟(おきて)”の言葉で、八重の生き方にも影響を与えた重要なキーワードだ。自身の「ならぬこと」を聞かれると、綾瀬さんは「手を抜くこと」と答えた。「芝居で手を抜いたことはないけれど、それでものちのちこうすればよかったって思うときがあるし、つらいと思ったことを頑張ったときは自信になった。やらないと後悔することが多いので、(何事も)頑張ってやった方がいい。本当に眠くて寝たいけど、絶対にお風呂に入るとか(笑い)」とユーモアを交え、自身の考えを語った。

 また今回、大河ドラマの主役という大役に挑んでいる綾瀬さんは「一生に一度のこと」と恐縮しながらも、「作品を終えてすごく自信になったとか、勉強になったとか、成長できたなとか、大事なものになるよう頑張りたい」と力を込め、「長いけど、あっという間という気もするので、一日一日を後悔しないように全力で演じていけたら」と意気込んだ。主演に決まったことについて、家族は「『えー、すごいね』みたいな、割とそういう感じ」と“軽め”な反応だったといい、「祖父が大河ドラマが大好きで、『楽しみにしている』って兄からメール来ました」と照れながら明かした。

 さらに、舞台が東北ということで、東日本大震災の被災者に向けて「八重が生きていた時代は激動の時代。その中でも、いろいろなことを乗り越えて、それを前に進む力に変えていった八重のポジティブな姿、気持ちが少しでも伝わったら」とメッセージを送った。

 大河ドラマ「八重の桜」は、6日からNHK総合テレビで毎週日曜午後8時放送。全50回を予定しており、初回は74分の拡大版。

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