「男はつらいよ」などで知られる山田洋次監督が監督生活50周年を記念して製作した「東京家族」が19日から全国で公開される。モチーフにしたのは、1953年に公開された故・小津安二郎監督による「東京物語」だ。
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瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉ととみこ夫妻が、子供たちに会うために上京してくる。開業医の長男、美容院経営の長女、舞台美術の仕事をしている次男とその家族らのやりとりが、12年の現代を舞台に描かれていく。周吉を演じるのは橋爪功さん、とみこに吉行和子さん。長男・幸一に西村雅彦さん、長女・滋子に中嶋朋子さん、次男・昌次に妻夫木聡さん。ほかに夏川結衣さん、林家正蔵さん、蒼井優さんらが出演している。
老いた両親を気にかけながらも自分たちの生活に忙しい子供たち。寂しくはあるがいたしかたない現実を、次男・昌次愛用の古い自動車や、廃品回収車を効果的に使うなどして、山田監督は静かに描き出していく。60年前に作られた作品をモチーフにしていながら、決して色あせない家族の話が描かれている。ちなみに「東京物語」は、英国の映画協会が発行する「サイト・アンド・サウンド」誌が昨年夏に発表した、世界の映画監督が選ぶ名作映画ランキングで1位に輝いている。今作のテーマの普遍性を証明する格好の例だ。19日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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