話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、「中二病でも恋がしたい!」(虎虎著、逢坂望美画)です。京都アニメーションのKAエスマ文庫編集部の担当者に作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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−−この作品の魅力は?
コンセプトは「青くて、痛い」元中二病だった勇太が現役中二病の六花と出会い、おバカで騒がしい生活の中で少しずつ恋が芽生えるお話です。この作品の一番の魅力は「共感」ではないかと思っています。勇太や六花ほどではなくても、彼らの行動になんとなく共感できてしまう方は多いのではないでしょうか? 中二病は決して敬遠されるものではなく、子供から大人への過渡期に誰しもが抱くものではないかと思います。
−−作品が生まれたきっかけは?
編集は京アニ大賞(京都アニメーションが主催する小説やマンガの賞)の審査にも参加させていただいているのですが、冒頭のサブタイトルの「プロローグ語る俺カッコイイ」を読んだ瞬間爆笑しまして、これを文庫本にしたい!と推させていただきました。「わかる!」って思ってしまったのです。勇太や六花ほどではないですが、私も中二病だったので(笑い)。
−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?
作者の虎虎さんと何度も打ち合わせなどでお会いしていますが、文面からもわかる通り、優しくて素直な方です。打ち合わせで「六花をいじめてください」ってお願いしてるのですけれど、「無理です……いじめきれません(泣)」という会話がよく繰り広げられます。もう内面真っ黒な編集は、虎虎さんの素直さにたびたび心が洗われてます。打ち合わせでデトックスをしてるわけです。あと、まだお若い方なんですが、「え!? なんでそんなもの知ってるんですか!!?」と思うぐらい昔のものを知ってます。私より前の世代のものとかも知っているので、年齢詐称をしてるのかと思いました(笑い)。
イラストレーターの逢坂さんはとにかく気が合います。お仕事を依頼するとき、イラストのイメージとかをお伝えするのですが、イメージ通りのイラストが上がってくるのです。不思議なくらい。何? エスパー??? あと、逢坂さんも編集も面白いことが大好きなので、2人でたびたび悪ノリをしてしまいます。ホームページがいい例ですね。「いーじゃん。楽しそうで!」とむちゃばっかりします(笑い)。逢坂さんにもものすごい数の落書きやイラストをむちゃな期間で描いてもらったりもしました。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
前述にある通り、いい意味でも悪い意味でも「痛い」ところです! 編集作業中はニヤニヤしたり、頭抱えて転がりながら作業しました。いや、なんか自分のパンドラの箱が開く瞬間がありまして……。今でも絶賛中二病なもんで……。すみません。昔のこともいろいろ思い出しました。東●ハンズで買ってもらった魔女グッズを着て飛ぶ練習したり、自転車に乗ってるときは、脳内ではカッコイイ変形バイクや馬になっていたりとか………。これ以上のエピソードは勘弁してください。墓場まで持って行きます。
−−今後の展開は?
六花と勇太の物語はまだまだ始まったばかりです。魔界から六花の迎えが来たり、封じられていた12の武器を呼び覚ます旅に出たりします。果たして邪王真眼とは一体!? うそです。ごめんなさい。今後の展開も進行中です。類は友(供!?)を呼ぶという言葉の通り、残念なキャラがいろいろ出てきます。これ以上は今はまだ秘密です。
−−最後に読者へ一言お願いします。
勇太と六花……可愛くて残念でいとおしい、そんな彼らの今後をぜひお楽しみに!
京都アニメーション KAエスマ文庫編集部 「中二病」担当編集
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