ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。人気ホラーゲーム「サイレントヒル」シリーズのスピンオフ作品「サイレントヒル ブックオブメモリーズ」です。コナミデジタルエンターテインメントのプロデューサー、トム・ヒューレットさんとディレクターのデビン・シャツキーさんに作品の魅力を聞きました。
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−−ゲームの内容について教えてください。
ヒューレットさん 「ブックオブメモリーズ」は、これまでの「サイレントヒル」シリーズに少しひねりを加えたタイトルとなっています。「サイレントヒル」シリーズは従来、ホラーアドベンチャーとして、プレーヤーは恐ろしいクリーチャーがひそかに動く中、誰もいない通りを慎重に進んだり、パズルを解いたりするゲームプレーになっていました。
そこで、「ブックオブメモリーズ」では、これらのすべての要素を入れつつも、新しい取り組みとしてアクションRPGというジャンルにしてみました。プレーヤーたち(最大4人)は協力して、プレーするたびに変化する悪夢の裏世界を探索していきます。ストーリーとしては悪夢の世界での行動次第で、目覚めた時の現実世界が変化し、物語がさまざまな方向に進んでいきます。もちろんマルチエンディング対応ですよ。
−−今作のセールスポイントは?
ヒューレットさん 「ブックオブメモリーズ」は、とてもユニークなゲームです。今までの「サイレントヒル」シリーズよりも好戦的なテイストが強く、ホラーがテーマのタイトルですが、協力プレーによるダンジョン探索も楽しめるようになっています。
−−企画のコンセプトは?
ヒューレットさん 開発にあたっての我々のゴールは、ポータブルプラットホームにふさわしい「サイレントヒル」を作ることでした。本タイトルはVita向けですので、短い時間で多くの楽しみを得られること、そして、友達や世界中のプレーヤーたちと一緒に楽しめることを実現したいと思いました。
それと同時に、これまでの「サイレントヒル」の非常に熱心なファンたちもいらっしゃいますので、フランチャイズのテーマに忠実であるようにしたいと思いました。「ブックオブメモリーズ」はプレースタイルがこれまでとは大きく異なりますので、フランチャイズに忠実にするのは難しくもありましたが、サイレントヒルの重要な特質・特徴をうまく表現することができたと思います。
また、こうしたスピンオフのタイトルは、日本に比べ、欧米では一般的ではありませんので、開発チームに理解してもらえるよう、説明するのに苦労したこともありました。
−−ゲームの開発で苦労したこと、面白いエピソードを教えてください。
ヒューレットさん 正真正銘の「サイレントヒル」タイトルにしようと思っていましたので、プロジェクトが始まった当初から、その点を十分に気をつけて進めました。アニメーターとプログラマーは、ナースや他のクリーチャーが、これまでの「サイレントヒル」シリーズと同じ挙動になるように心がけて制作を進めたのですが、残念ながら、テイストが違うことでバトルのスピード感が合わず爽快感に欠けてしまいました。
そこで、本タイトルは新たなジャンルになるので、ファンが大好きなクリーチャーたちについて、再考することにしたのです。たとえばナースなら、ナースが何を表現したものなのか、ナースの挙動は何を意図しているのかにフォーカスし、それをもとに、プレーヤーのニーズを変わらず満たしながら、本タイトルの新しいゲームプレーでチャレンジを増すことができる、新しいアクションをデザインしたのです。このプロセスで、サイレントヒルのモンスターたちを、まったく新しい見方でより深く理解することができましたので、我々にとって、本プロジェクトで一番面白いプロセスの一つとなりました。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
シャツキーさん 今までのシリーズとは違う新しいサイレントヒルですが、ゲームを遊んでいただければ「サイレントヒル」らしさが味わえると思います。協力プレーを皆で怖がりながらワイワイ楽しんでくださいね!
コナミデジタルエンタテインメント プロデューサー トム・ヒューレット、ディレクター デビン・シャツキー
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