女優の寺島しのぶさんが主演するWOWOWの連続ドラマW「ソドムの林檎～ロトを殺した娘たち」の制作発表記者会見が19日、東京都内で行われた。事件の被告となる魔性の女・恵を演じた寺島さんは、美しい少女がみにくく整形したという設定について、「そのままの顔でやってます。こういう役を引き受ける女優さんはそういないんじゃないかな……」とこぼしたが、 「廣木（隆一）監督は私の不細工な顔をいっぱい知っているので、いっぱい映してると思います！」と“不細工”アピールで会場を盛り上げた。

あなたにオススメ

朝ドラ「ばけばけ」徹底特集！　高石あかりがヒロインに

　会見には、寺島さんのほか、恵を取材対象者として追う編集者役の木村文乃さん、同じく恵を追うスポーツ紙記者役の溝端淳平さんら出演者、廣木監督らスタッフが登場した。撮影について、木村さんは「本当に大変でしたけれど、すごく大切な時間だった。スタッフみんなの気持ちが一緒なら、いいものができるというのを肌で感じた」といい、寺島さんは「すごくエキサイティングな時間でした」と目を輝かせた。溝端さんは、寺島さんの演技を絶賛しつつも「一人の男として言うなら、目をふさぎたくなるような女性の闇。俺はもう恋愛したくねえな……」と苦笑い。作品にちなんで「家庭的だけど美しくない女性と美しいけれど家庭的ではない女性のどちらがいい？」と聞かれると、「美しい女性！」と言い切って、共演者を笑わせた。

　ドラマは、編集者の万里（木村さん）が、結婚詐欺連続不審死事件の被告人の宮島恵（寺島さん）と出会い、裁判を傍聴する中で恵にのめり込んでいく姿を描くサスペンス。恵が自殺した自身の元恋人と関係があったことを知った万里は、恵の生まれ故郷の島に赴き、彼女が“島一番の美少女”だったという過去を知り、運命がゆがんでいった原因を探る。寺島さんは「1話を見たんですが、見る方にこびを売ってない、今までにない突き放した作品になっている」と作品を表現し、「ドラマを超えた、映画の出来になっている作品が味わえます」と、その完成度に自信を見せた。WOWOWプライムで23日から毎週土曜午後10時に放送。全4話で、第1話は無料放送される。

　ドラマの会見前には、第6回「WOWOWシナリオ大賞」の授賞式も行われ、492編の応募の中から、大賞には神奈川県出身の助監督・香坂隆史（こうさか・たかふみ）さんの「愛の告発」が選ばれた。賞金100万円を贈呈される優秀賞は東京都出身の会社員・井上志津さんの「帰郷」、大阪府出身の主婦・水野知佐子さんの「未亡人の背中」が選ばれた。賞金500万円と映像化が約束されている大賞受賞者の香坂さんは「今回の作品は、欠点も多く満足のいくものではなかったので、予想以上に評価していただいた。視聴者の人生に影響を与えるような作品を多く生み出したい」と決意を語った。（毎日新聞デジタル）