ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに100万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第111回は太宰治の「お伽草紙」(後編)だ。
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皆さんこんにちは、乙葉しおりです。気がつけば桜も花開き、街もすっかり春色ムードに包まれています。春休み中の私は、桜が見える場所を探して毎日ポタリングしていますが、皆さんはもうお花見には行きましたか? お勧めスポットをご存じの方、ぜひ私にも教えてくださいね(*^^^*)
それではここで、お誕生日のご紹介です。
最初は3月18日、佐々木味津三(みつぞう)さん(1896年生まれ)。「天下御免の向こう傷」の決めぜりふで知られる時代小説「旗本退屈男」シリーズの作者として知られています。
続いて20日は景山民夫さん(1947年生まれ) 南太平洋を舞台に、少年とプレシオサウルスの子供のふれあいを描いた海洋冒険小説「遠い海から来たCOO」は、アニメーション映画になりました。
21日は、押川春浪(しゅんろう)さん(1876年生まれ)。在学中の1900年に発表した「海底軍艦シリーズ」は日本のSF小説・冒険小説の草分けと呼ばれ、多くのフォロワーを生み出しました。
26日は、柴田錬三郎さん(1917年生まれ)。「眠狂四郎シリーズ」をはじめとした時代小説で剣客ブームの牽引(けんいん)役となりました。
もう1人、同じ26日に京極夏彦さん(1963年生まれ)。「百鬼夜行シリーズ」や「巷説(こうせつ)百物語シリーズ」など妖怪にちなんだ作品を数多く発表し、妖怪研究家としても知られています。
最後に27日は、遠藤周作さん(1923年生まれ)。 狐狸庵山人(こりあんさんじん)の別名で親しまれ、代表作の一つ「狐狸庵閑話」はまたの名を「こりゃあ、あかんわ」と読ませるなど、ユーモアあふれる作品を発表しました。
では続いて、朗読倶楽部のお話……朗読倶楽部顧問・癸生川新先生のこと・第9回です。
朗読館のお仕事用音声を朗読するため、はじめてのスタジオ体験と相成った私たち朗読倶楽部。録音ブースでディレクターさんとやり取りをしている先生は、なんだかいつもと違って生き生きしているように見えました。
何度も失敗してしまいながらも、最終的にはみんながまずまず納得できる形で収録が終わって、ひとまずリビングで休憩となったとき。ディレクターさんに、ほんの軽い気持ちで昔の先生のことを、聞いてみたのです。
すると……。実はおふたりは、学生時代に5人グループのバンドで活動していた仲間だったのだとか。先生はドラムのほかに作詞も担当されていて、ディレクターさんいわく、今とは別人のように熱を入れていたのだそうです。バンドはテレビのアマチュアコンテストでも入賞し、ゆくゆくはプロを……と、いうところまで来ていたのですが……、ある日、突然バンドに大きな災厄が降りかかったのです。それは……と、いうところで、今回はここまでです。次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)
■しおりの本の小道 太宰治「お伽草紙」後編
こんにちは。今回は前回に引き続き太宰流再話文学・太宰治さんの「お伽草紙」をご紹介いたします。
このお話の魅力は大筋が原作の昔話通りでありながら、読み終わってみると、元の物語が持っている教訓とは異なる、新しい訓話としての側面が見えてくるところにあるのではないでしょうか?
「カチカチ山」
おばあさんを殺した悪いタヌキと、おじいさんの無念を晴らすべく立ち上がったウサギ……太宰治さんが敬愛する芥川龍之介さんも再話を手がけたことがあるお話です。
おばあさんを「婆汁」にするという残酷なことをしたタヌキですが、その敵討ちをするウサギも正々堂々とは言えない方法でタヌキを成敗していて、子供向けの訓話として考えると結構残酷ですよね。作者いわく、このタヌキとウサギの関係は、ある男女関係に符合するところがあると言うのですが……。
「舌切雀」
のりを食べたスズメがおばあさんに舌を切られてしまう「舌切り雀」を題材としたお話です。
山奥に住む、老人と呼ぶにはまだ若い夫婦。まるで世捨て人のように何もしない「おじいさん」と、それを黙々と支え続け、多少口うるさくとも決して意地悪ではない「おばあさん」。ですがある日のこと、おじいさんが若い女性らしき相手と機嫌良さそうに話しているのを耳にしたおばあさんは、自分にはねぎらいの言葉のひとつもないのに……と怒り出してしまいます。浮気相手を見せろと迫るおばあさんに対し、おじいさんはスズメと話していたと言うのですが……。
……というわけで、前回の「瘤取り」「浦島さん」と合わせて4作品をご紹介してきました。
すでに本編を読まれた方はご存じだと思いますけど、実はお伽草紙にはもう1作、「桃太郎」の執筆を予定していたという記述があります。結局執筆されることはなく、「舌切雀」の導入部分でその理由が語られているのですが……この作品が書かれた時代背景などと併せて鑑みると、隠された「本当の理由」が見えてくるはずです。
※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。
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