「プロメテウス」(12年)や「グラディエーター」(00年)の監督として知られるリドリー・スコットさんが製作総指揮を務めたサスペンス作「ビトレイヤー」が4日に全国で公開された。主演は、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(11年)で、若き日のプロフェッサーXを演じたジェームズ・マカヴォイさん。マイケル・マン監督や(リドリー&トニー・)スコット兄弟、さらにジョン・ウー監督の作品が大好きだというエラン・クリービー監督がメガホンをとった。
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マカヴォイさんが演じるのは、捜査官マックス・ルインスキー。大物犯罪者ジェイコブ・スターンウッドをとり逃がした上に重傷を負うという苦い過去があった。彼は今、銃の密売がからむ殺人事件を追っている。一方、ジェイコブは、息子のルアンを窮地から救うために、潜伏先のアイスランドからロンドンに戻ってくる。実はマックスとルアンの事件はつながっており、マックスは、再びジェイコブと顔を合わせることになる……という展開。
捜査官役のマカヴォイさんは決して悪くないが、魅力の面で今回はジェイコブ役のマーク・ストロングさんと、その相棒役ピーター・ミュランさん(「思秋期」「戦火の馬」など)の悪役の方に軍配が上がる。特にストロングさんには、「ロビン・フッド」(10年)での悪役以降、カミソリを思わせる冷徹かつ鋭いイメージがあったが、今回は、犯罪者ではあるが、半面、息子思いの義理に厚い人間を演じ、男っぷりを上げている。ほかに、「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」(11年)や「シャドー・ダンサー」(11年)、トム・クルーズさん主演作「オブリビオン」(5月31日公開)と出演作が続く女優のアンドレア・ライズブローさんが、マックスのパートナー役で出演。俳優たちの競演と、通常の「善人VS悪人」とは異なる展開が楽しめる作品になっている。ただ、多少分かりにくい部分があるので、事前にチラシなどで登場人物の整理ぐらいはしておいたほうがいいかもしれない。4日から新宿シネマカリテ(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌の編集、編集プロダクションをへてフリーライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。先日、初めて韓国ソウルを訪れた。楽しかったが、激辛料理を食べそこねたのが心残り。
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