向井理:青山真治監督が「ゲーリー・クーパーのよう」と絶賛

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 俳優の向井理さん(31)、斎藤工さん(31)、金子ノブアキさん(32)、小出恵介さん(29)が主演するオムニバスドラマ「最上のプロポーズ」がスマートフォン向け動画配信サービス「dビデオpowered by BeeTV」(以下、dビデオ)で配信中だ。映画「EUREKA」(00年)や「東京公園」(11年)などで知られ、国内外で評価が高い青山真治監督が手がけたドラマで、19日からは向井さんが離婚の危機にある夫を演じたエピソード4「ウェディングベール」が始まる。向井さんと青山監督に話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 ドラマはそこから花を贈ると幸せになるという花屋を舞台に、向井さんら4人の男性のプロポーズに関する物語を描いている。四つのエピソードが各3話ずつで描かれており、向井さんはカフェに足しげく通い花屋を見守るという謎の男役でエピソード1から3までに出演、エピソード4ではついに向井さん演じる森本青児の物語にスポットが当てられる。

 向井さんのデビュー当時から「とんでもない人が出てきたなと思って注目していた」という青山監督は向井さんの印象を「高貴な人。美しかったころのハリウッド時代の俳優のよう。(ハリウッドの黄金期を支えた俳優の)ゲーリー・クーパーのような華やかさがある。ジェントルマンシップを兼ね備えている人」と評する。一方、向井さんも「(ドラマの監督が)青山さんと聞いてぜひご一緒したかった」と青山監督との現場を心待ちにしていたといい「撮影はあっという間に終わったので今度はもっと長くねっとりやりたいなって思った」と期待を込める。

 青山監督が向井さんと仕事をして思ったのは「演技の動きの一つ一つ、細かいところまで計算されていること。強い人」という。とはいっても「こうきたらこう返す」という予想された“計算”ではなくむしろ「フリーハンドのような強さ」といい「実はフリーハンドが一番怖い。一番強いから。どのように来てもどうとでも対応できる。ただし自分としてはこう進めるという信念がある、そういう意味での“計算”があるのが向井君だし、こちらとしてはわくわくしますね」と話す。

 青山監督から「強い人」と評された向井さんだが、演技に対して思っているのは「カメラが回ってしまえば、そのカット、シーン、作品が成り立てば何をやっても、何をされてもいい」ということという。「カメラが回っていない現実の世界だったら『カメラを止める』ということができないから。だから芝居でも、とんでもないことを言われても、それを現実として受け止めて何かを返す。それだけできれば成立するんじゃないかなと思う」と語る。向井さんとの共演が多かったというカフェのマスター役の升毅さんは芝居の途中で急に設定を変えるなど「結構変なことする人」(向井さん)だったというが、「升さんは何を投げても返してくれるし、お互い楽しかった」と何が返ってくるか分からない升さんとの芝居を楽しんだという。

 向井さんが芝居をする上で大事にしていることの一つが「楽しむ」ということ。「作品によっては追い込まれたり自分でも追い込んだりすることがあり、眠れなかったり食事がのどを通らなかったりというのもあるけれど、それも含めて楽しい。自分の中で非日常を感じることが楽しいから。そういう意味では俳優は“M”でないとできないと思う。女優さんは“S”じゃないとだめだと思うけれど……」とドキリとする発言も飛び出した。

 同ドラマでは向井さんと同世代の俳優の斎藤さん、金子さん、小出さんがそれぞれ主演を務めている。向井さんにとって同世代の俳優は「刺激になる存在」という。「同じ年(82年)生まれの俳優って結構多いけれど、(彼らが)どのように仕事をやっていくのかにも興味がある」という。同時に先輩の俳優にも目がいくといい「固まった世代を見るとかっこいいと思う。佐藤浩市さんや時任三郎さん、中井貴一さんらの世代の俳優さんが一線で活躍されているのを見ると、自分たちも上を目指さなきゃという刺激になるし、自分たちも(下の世代を)引っ張っていけたらなと思う」と力を込めた。

 ドラマは配信中で毎週月、水曜午後5時に更新。1話約10分で全12話。

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