半沢直樹:脚本段階で「いけそうだ」と手応え プロデューサーが語るヒットへの“階段”

敵役と激しく火花を散らすところが大きなみどころ。ドラマ「半沢直樹」第6話の1場面=TBS提供
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敵役と激しく火花を散らすところが大きなみどころ。ドラマ「半沢直樹」第6話の1場面=TBS提供

 俳優の堺雅人さんが型破りの銀行マンを演じ大ヒット中のドラマ「半沢直樹」(TBS系)について、伊與田英徳(いよだ・ひでのり)プロデューサーが東京都内の撮影現場で取材に応じ、ヒットの理由について語った。「僕らも分からないですよ。正直言っちゃうと僕らも驚いている」と戸惑いながらも、「でも、そういいながら、自画自賛になるけれど、台本を作ったときに、いけそうだと思った……」と脚本を作った段階からドラマ自体には手応えを感じ、その後一歩一歩階段を上るようにヒットへの道を歩んでいった経緯を明かした。(毎日新聞デジタル)

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 伊與田プロデューサーによると、ドラマの原作に池井戸潤さんの作品を選んだのは、「池井戸さんの本が面白い」という演出の福澤克雄さんの勧めがきっかけ。中でも「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」を読み「物語に紆余(うよ)曲折が激しくあって、連ドラ向き」と気に入り、さらに「半沢直樹を、堺さんに演じてもらえたら……」と主演も決まった。

 脚本を制作して芽生え始めた自信は、堺さんが実際に演じ、現場でその演技の迫力に圧倒されたころから強くなったという。さらに「悪役の人たちも、なかなか一筋縄ではいかないメンバーがそろった」とキャスティングもうまくいった。「今回ラッキーだったのが、悪役といわれている人たちが、悪役然として強かったので、堺さんの演じる半沢も強くできた。そこにも利点があった。もちろんキャスティング、演じていただいた方の力もあるし、原作の力もある」と振り返る。

 一方で伊與田プロデューサーは「手応えを感じたから数字がいいということもない。数字は化け物なので……。正直に言うと、数字が出るまでこちらの手応えは信用しません」と放送前は自らを戒めていたという。

 特に懸念していたのは、一般的なドラマではメインターゲットとなるはずの女性層の反応だ。原作の力を信じて連続ドラマ化したものの「(銀行ものという)ジャンルは、女性がチャンネルを向けにくいことは分かっていた」という。完成披露試写会は女性限定で行い反応を見た。「試写会での反応もすごく良くて、(原作者の)池井戸先生にもほめてもらった。実際にオンエアして、いろんな方からメールをいただき……と考えると、着実に階段を上った気がする」と手応えが確信に変わっていく様子を語っていた。

 ドラマは、バブル期に東京中央銀行に入行した銀行マン・半沢直樹が、銀行の内外に現れる敵と戦い、組織と格闘していくさまを描いており、平均視聴率は7月7日に2時間スペシャルで放送された初回から19.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録する人気ぶりで、舞台を大阪から東京に移し25日に放送された“東京編”の初回となる第6話は29.0%(同)、瞬間最高33.6%(同)を記録した。ドラマはTBS系で毎週日曜午後9時に放送。第7話は9月1日に放送される。

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