尼僧で作家の瀬戸内寂聴さんが、自身の体験をつづり40歳のときに発表したベストセラー小説を映画化した「夏の終り」(熊切和嘉監督)が31日、公開された。瀬戸内さん自身が「自分の作品の中で最も好きなもの」だという原作で、満島ひかりさん、綾野剛さん小林薫さんが出演している。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
昭和30(1955)年代。染色家の相澤知子(満島さん)が一緒に暮らす小杉慎吾(小林さん)には妻子がいる。自宅と知子の部屋を行ったり来たりする慎吾との関係は8年にもなるが、知子はその生活に満足していた。そんなある日、かつて関係があった木下涼太(綾野さん)が知子を訪ねてくる。それをきっかけに、2人はまたよりを戻してしまい……というストーリー。
原作では、知子は38歳。それを10歳ほど若い1985年生まれの満島さんが演じるのはいささか若過ぎないかと思われたが、そこを演技力でカバーしている。2人の男のどちらにも引かれてしまう女性を、ときにサバサバと、ときにつやっぽく演じてみせる。一方、涼太役の綾野さんは、男の色気を放ちながら、独り占めできない知子のぐちにイライラを募らせる精神的危うさも表現。そんな2人の関係を薄々感じながら、妻とも知子とも関係を続ける優柔不断男を小林さんが好演している。彼らの危うい三角関係をまとめたのがラブストーリー初挑戦の熊切監督。内容が内容であるだけに攻め方を間違えると淫靡(いんび)な作品になりそうだが、熊切監督は昭和20~30年代の風景とともに、しっとりとした大人を感じさせるラブストーリーに仕上げた。31日から有楽町スバル座(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
11月20日に初フォト&エッセー「瞳のまにまに」(講談社)を発売したテレビ東京の田中瞳アナウンサー。「視聴者の皆さんはもちろん、制作側にも信頼されるアナウンサーになりたい」と語る…
テレビ東京系の人気バラエティー番組「モヤモヤさまぁ~ず2(モヤさま)」(土曜午前11時半)の4代目アシスタントや、経済ニュース番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」(月~木…
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のアニメ「呪術廻戦」のテレビアニメ第2期「懐玉・玉折」に登場する高専時代の五条悟らをデザインし…
タレントの黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」(講談社)が、「最も多く発行された単⼀著者による自叙伝」として12月14日、ギネス世界記録に認定された。1981年3月6日に刊…
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第32回「小牧長久手の激闘」が、8月20日に放送される。家康(松本さん)は秀吉(ムロツヨシさん)側の1…