テレビ質問状:ノンフィクションW「フットボールの守り神 1つの椅子を巡るGKの物語」守護神の言葉

イケル・カシージャス選手 写真:PanoramiC/アフロ
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イケル・カシージャス選手 写真:PanoramiC/アフロ

 WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。10月18日に放送される「フットボールの守り神 1つの椅子を巡るGKの物語」を担当したWOWOW制作局スポーツ部の仁藤慶彦プロデューサーに番組の魅力を聞いた。

ウナギノボリ

 −−番組の概要と魅力は?

 サッカーのゴールキーパー(GK)というポジションにスポットを当てたドキュメンタリー。昨季終盤に起こったレアル・マドリードの正GK争いを主題に、一つしかない椅子を巡るレギュラー争いに密着しました。1人は天才、1人は努力の人。同じ年の2人がたどってきた道は、天と地ほど違います。その二つの人生が昨季終盤、運命的な交わりを見せます。

 −−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 個人的には、2009年にメッシ、2010年にクリスティアーノ・ロナウド、2011年にモウリーニョと、世界最高の選手・監督たちを題材にドキュメンタリーを作ってきました。昨年2012年には、A・ビルバオという一つのクラブチームに特化した「ノンフィクションW」を制作しました。次の題材はポジションしかない、と。その中でGKを選んだのは、自分自身もサッカー経験者ですが、「なぜGKをやるんだろう?」と昔から疑問を抱いていたからです。その答えはその道の職人たちに聞くしかありません。

 −−制作中、一番に心掛けたことは?

 毎度そうですが、サッカーファンだけが満足する番組では意味がありません。「ノンフィクションW」という枠で放送する以上、まずはドキュメンタリー好きな視聴者に喜んでいただくこと。その上で、自分が作る以上、サッカーファンにも楽しんでいただきたい。二兎(と)を追うのは難しい仕事ですが、いつもそこは意識しています。

 −−番組を作る上でうれしかったことは? 逆に大変だったエピソードは?

 大変だったのは、最初の企画書から大きく方向転換せざるを得なかったこと。当初はカシージャスという世界最高のGKの“華麗なる復活劇”を描くつもりでした。しかし、進むにつれ明らかとなる事実、そしてディエゴ・ロペスという“努力の人”のすごみ。いつしか番組は2人が主人公となっていました。これは大変ではありましたが、一方でスポーツノンフィクションの醍醐味(だいごみ)だと思っています。“フィクション”じゃないから面白いのです。

 −−番組の見どころを教えてください。

 カシージャスとディエゴ・ロペスはもちろんですが、この番組にはさまざまなGKが登場します。一時代を築いた守護神たちの一言一言が重たいです。彼らは決して主役にはなれません。サッカーはゴールを奪うスポーツであり、ゴールを守る人は裏方でしかないのです。そんな職業を選び、その世界を極めた守護神たちの言葉は、私たちサラリーマンや主婦、そして未来ある子供たちに、強烈なメッセージを投げかけてくれます。夢を抱く大切さ、憧れ続ける大切さを感じ取ってください。

 WOWOW 制作局スポーツ部 プロデューサー 仁藤慶彦

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