ブラッド・ピットさん、キャメロン・ディアスさんらそうそうたる俳優が顔をそろえる映画「悪の法則」が15日から全国で公開された。他の出演者はマイケル・ファスベンダーさん、ペネロペ・クルスさん、ハビエル・バルデムさん。さらにリドリー・スコット監督が手掛けた。この布陣であれば娯楽作を期待する。一方で、この布陣だからこそ娯楽作になりえて当然といえる。脚本を「ノーカントリー」(2007年)や「ザ・ロード」(09年)の原作者として知られる作家のコーマック・マッカーシーさんが担当している。
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ファスベンダーさんが演じる、原題にもなっている“カウンセラー(The Counselor)”がとりあえずの主人公。彼はどうやら弁護士のようで、彼にはローラ(クルスさん)という婚約者がいる。カウンセラーにはまた、ライナー(バルデムさん)というビジネスパートナーがおり、ライナーは実業家で、彼にはマルキナ(ディアスさん)という元ダンサーの同棲相手がいる。そして、ピットさんが演じるウェストリー。彼は裏社会に精通する麻薬の仲買人だ。このウェストリーを通じてライナーが麻薬ビジネスに手を出し、そこに乗っかったことで、カウンセラーも取り返しのつかない危機的状況に陥っていくというストーリー。
思わせぶりなせりふを口々にはく登場人物たち。彼らはしばしば「巻き込まないで」というせりふを言うが、何に巻き込まれるかの具体的な説明はない。それでも“それ”に巻き込まれ、人々は命の危険にさらされていく。全貌が見えそうで見えず、エンディングを迎えて頭に浮かんだのは“不条理”という言葉だった。
娯楽作と思って見たらとんだ見当違い。リドリー・スコット監督って、こんなに分かりにくい話を作る人だったっけ? 弟トニー・スコット監督が自殺したことで死生観が変わったのかとすら深読みしてしまう内容だった。ただ、ファスベンダーさんが演じるカウンセラーは、周囲からの再三の忠告にもかかわらず危ないビジネスに手を出し、自分はおろか婚約者の身も危険にさらしていく。彼にだけ名前がないのは、私たち誰しもが同じ轍(てつ)を踏む危険性があることを示唆しているのか……。そう考えると、今作が急に教訓めいた作品に思えてきた。15日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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